中国社会で「新たな病気」が数日前から拡大中、各種の症状に治療薬は見当たらず

Record China    2022年12月19日(月) 8時30分

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中国のネットでは数日前から、「新たな病気の症状に悩んでいる」と訴える投稿が相次いでいる。写真は北京市内の薬局。

海外在住の中国人向け情報サイトの文学城は17日付で、中国のネットでは数日前から、「新たな病気の症状に悩んでいる」と訴える投稿が相次いでいると紹介する記事を発表した。新たな病気は「幻陽症」などと呼ばれている。

具体的な症状は喉の傷みや頭痛、筋肉痛、体の状況を過度に警戒するなどだ。体の状況への警戒の具体例としては、何度も唾液を飲み込んで喉の乾燥の具合を確認したり、体が少しでもほてっていると感じたら思わず体温を測定するなどがある。

また、周囲に新型コロナウイルスに感染した人がいるかどうか過度に気になり、その人がどのような状態であるかも気になり、自分がその人と接触した可能性があるかどうか、どの程度接触したかを何度も繰り返して考えてしまう。

「幻陽症」とはすなわち、自分が新型コロナウイルスで陽性になる可能性があるという「幻想」にとらわれてしまう症状だ。

上海市第十人民医院(病院)精神心理科の徐主虹治療師と王美娟医師によれば、心理学の立場から言えば、「幻陽症」は、新型コロナウイルス感染症の流行が短期間で拡大したことによる心理的な不適応状態だ。また、人々が「幻陽症」との病名をつけてふざける心の底には、自分が仮に新型コロナウイルスの感染で「陽性」状態になった場合の状況が未知であるための不安があるという。青少年ならば学業への影響、社会人だったら仕事が滞ることへの心配。また、家族として暮らしている高齢者や子供に感染したらどうなるかとの心配だ。

中国人は約3年間の「ゼロコロナ」政策で、大小さまざまな不確実性を経験した。未知で不確実な状況に遭遇した場合、懸念や焦りの感情が起きるのは心の正常な反応だ。そして、未知や不確実性な状況をいくら経験しても、同様な反応が再び発生する可能性があるという。

徐治療師と王医師は、人にとって未来は常に未知や不確実性に満ちていると指摘。人は制御できない未来を制御しようと願いがちだが、結局は無駄であり、往々にして未来を掌握しようとすればするほど不安になり、焦りやすくなるという。そして、心がけるべきは、制御できないことを制御しようとするのではなく、自分自身の生活状況や家庭における感染症対策など、できることをしっかりと実行することという。

徐治療師と王医師は、「幻陽症」に苦しまないための具体的な方法も紹介した。

まず、「幻陽症」を自覚したら、それが環境の変化によりもたらされた不安であり、心の正常な反応であることを理解することだ。

また、権威ある情報源であっても、感染症の情報に注目する時間が長すぎてはよくない。情報に過度に多くさらされることは「心に爆撃を受ける」のと同様で、自分にとって必要な情報を選別する能力が低下してしまう。

個人として合理的な予防はしっかりとするが、不必要なことは減らす。不安感情に駆られて不適切な予防をしても不安の解消にはならず、不安行動をかえって強めてしまう可能性すらある。

自分の正常な学習や仕事、生活のリズムを維持する。飲食をしっかりとして、栄養を適切に補充し、心身が十分に休息できるようにする。

これらに努めても「幻陽症」を自分自身で軽減できず、次第に「恐怖」の感情が強まって学習や仕事が正常にできないことに気付いたら、ただちに精神心理関係の専門家に助けを仰ぐべきだという。

実際に感染症で「陽性」になった場合にも、現在のオミクロン株は感染力が強まっている反面、毒性は確実に弱まっており、大部分の感染者は軽症または無症状であるため、感染したこと自体の心理的負担はそれほど大きくないと考えられるという。ただしもちろん、薬の服用ができなかったり、しっかりと休めない場合、あるいは症状が緩和されない場合には、速やかに医療機関に行って診察を受ける必要がある。

また、感染したことで学習や仕事、家庭に及ぼす影響を過度に心配するのはよくない。自責の念を持つのはよくなく、できるだけ早く回復するためにしっかりと休息したり、できる範囲のことをするなど、「有効な行動」をすることが肝要という。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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