中国の「ゼロコロナ政策」緩和、感染拡大避けられず「新たな問題の始まり」と米誌

Record China    2022年12月17日(土) 12時0分

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中国政府は「ゼロコロナ政策」の緩和に大きく舵を切った。米誌は「感染対策を緩めれば、感染拡大は避けられない」と指摘。「新たな問題の始まりとなったようだ」との見方を示した。写真は上海浦東国際空港。

中国政府は新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」の緩和に大きく舵を切った。米誌ニューズウィークは「感染対策を緩めれば、感染が拡大することは避けられない」と指摘。「中国にとってゼロコロナ問題の終わりは、新たな問題の始まりとなったようだ」との見方を示した。

中国国務院(内閣)は7日、ゼロコロナ政策に事実上の終止符を打つ一連の措置を発表。ここ3年ほど中国の日常生活を支配してきた健康管理アプリの提示は、ほとんどの公共施設で不要になった。PCR検査の集団検査は縮小され、濃厚接触者の隔離は不要になり、マンションや区画全体を封鎖するような集団隔離は個別の自宅療養に変更された。

保健当局は新型コロナの感染症分類を最も重篤な甲類(腸チフスなど)から、乙類(エイズなど)に引き下げた。今まではパニック買い防止のため、風邪薬やインフルエンザ薬の販売に規制がかかっていたが、通常に戻された。

中国指導部が政策転換に踏み切った背景について、ニューズウィークは「明確な説明はないが、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで厳しいコロナ対策のためにマンション火災の犠牲者が膨らんだことを発端とする抗議行動が影響を与えているのは間違いないだろう」と推測。「この事件が起きる前から、中国共産党は感染者の増加とゼロコロナ政策が経済に与えるダメージの間で板挟みになっていた。ウルムチの火災以降の全国的な抗議行動が最後の一押しになったのだろう」とした。

今後に関しては「うまくいけばベトナム、悪ければ香港と同じ道をたどる可能性がある」と分析。「ベトナムは昨年、同じように厳格なコロナ対策を撤廃したが、その後の感染拡大による死亡率は比較的低く推移した。これに対して香港は封じ込めに失敗し、今年3月に世界一の死亡率を記録した」と続けた。

14億人の中国の人口規模に換算すると、ベトナム並みの死亡率ならゼロコロナ解除後数カ月の死者は55万人程度になるが、一部の専門家は死者が100万〜200万人とも見積もっている。記事は「そうなったとき、政府は統計の数字をいじることはできても、パンク状態に陥った病院の画像がネットに拡散するのを完全に抑え込むのは難しいだろう」と断じた。

さらに規制の緩和後、「北京などの都市ではまだ人通りはまばらだが、人々の新型コロナに対する恐怖心は低下しているように見える」と言及。同時に「人々は抗議運動が政府をゼロコロナ廃止に動かしたという手応えを感じており、政府が新たな感染対策を講じようとすれば、新たに激しい抗議運動が起こる可能性がある」ともみている。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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