中国河南省のiPhone工場が「労働者逃げ出し」で人手不足、地元政府が退役軍人や幹部を動員―独メディア

Record China    2022年11月17日(木) 14時0分

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16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレは、新型コロナ感染を巡る混乱で大量の従業員が逃げ出した河南省鄭州市の富士康工場で、地方政府が省内の退役軍人や末端の元党・行政幹部に「召集」をかけていると報じた。

2022年11月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレは、新型コロナ感染を巡る混乱で大量の従業員が逃げ出した河南省鄭州市の富士康(フォックスコン)工場で、地方政府が省内の退役軍人や末端の元党・行政幹部に「召集」をかけていると報じた。

記事は、上海証券報の16日付報道として、河南省開封市の地方政府が退役軍人や末端幹部を鄭州の富士康工場に動員していることが明らかになったとしたほか、同省済源市の現役末端幹部が「富士康に入るにはまず地元で3日間の研修を受けた後、鄭州でさらに4日間の研修を受ける。その間生活手当が支給され、就業後は800元(約1万6000円)の労務補助が得られるほか、30日間働くとさらに3000元(約5900円)の雇用安定手当が得られる」と明かしたことを伝えた。

また、省内の他の地域でも退役軍人の富士康への動員が行われており、15日には長葛市の退役軍人事務局が「退役軍人が鄭州富士康の求人に積極的に応じることを呼びかける提唱書」を出し、工場の作業エリア、食堂、レストランが完全に消毒されていること、安全防護設備が整っていることをアピールした上で、退役軍人に対して「生産服務の先鋒を進んで担うという誓いを思い出そう」「戦いがあれば、必ず応じるという使命感を思い出そう」「厳しい任務を勇んで担おう」と呼びかけたとしている。

一方で、鄭州の富士康デジタル製品事業群(iDPBG)が13日に発表した求人ポリシーには、パートタイムの派遣社員として時給は30元(約590円)、今月9〜19日に応募を出した者には在籍30日で3000元の雇用安定手当を支給することが示されていたと紹介。求人計画や退役軍人や幹部が「召集」されていること、鄭州工場の生産状況に関する状況についてはコメントを拒否していると伝えた。

記事は、鄭州工場が世界最大のiPhone製造拠点であり、10月末に新型コロナの感染対策に起因する混乱が発生して1万人に上るとみられる大量の従業員が工場から徒歩で逃げ出し、その写真や映像がネット上で拡散して注目を集めたと紹介。同工場での11月のiPhone生産量は大きく減少すると見られ、米アップルも先日最新機種であるiPhone14の出荷量が減少する見通しを示したとしている。

そして、退役軍人や元末端幹部の動員について多くのネットユーザーから「新しい時代における労役ではないか」「万が一コロナに感染したら乱暴に隔離され、正規の医療サービスを受けたり家族に看病してもらったりできなくなるぞ」「自分が知っている限り、農村では新型コロナに対する認識は武漢で感染拡大した時点にとどまっている。こんなもの、誰が行くというのか」など疑問の声が寄せられていると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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