中国・広東省恵州市でこのほど、29年間逃亡していた殺人事件の容疑者が拘束された。北京青年報など複数の中国メディアが10日付で伝えた。

報道によると、熊（シオン）容疑者は1993年、口論になった相手を友人と共に刃物で刺して殺害。その後、偽名を使うなどして逃走を続けていた。驚くことに、熊容疑者は当時、普通の労働者だったものの、現在では資産1000万元（約2億円）を持つ億万長者の経営者になっていたという。

警察官らは容疑者宅に入った際、年老いた母親がいたためとっさに防疫スタッフを名乗って熊容疑者を連れ出し、エレベーターに乗った際に「あなたのお母さんはお年ですから、（目の前で話して）心配させてもいけないでしょう」と語り、拘束した。

ネットユーザーからは熊容疑者が億万長者になっていたことについて、「霊なんていないんだな。いたら報復しなかったとしても、（加害者を）金持ちにさせるなんてことは絶対にない」「『悪いことをしたら必ず報いがある』だなんて、信じられないよ」「正義は必ずやってくる。でも、必ず遅れてやってくるんだよな」といった声や、「彼の資産は合法的に稼いだ金なのか？」「母親と一緒にいてよく今まで逃亡できていたものだ」といった声が上がった。

また、警察官の配慮について、「被害者遺族はもう29年間も苦しみ続けている。そんな気遣いは無用だ。母親に教えてやるべき」「高齢だからといっていたわる必要はない。こんな子どもに育てた親にも責任がある」「あなたが快適に過ごしてきたこの29年、被害者遺族はどんな思いで過ごしていたか。出てきてからも償わなければならない」といった声が寄せられている。（翻訳・編集/北田）