鉱業に特化の鴻蒙OS導入から1年、どのような進歩が実現したのか―ファーウェイ

Record China    2022年11月10日(木) 9時0分

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ファーウェイの胡厚崑輪番会長はファーウェイ・コネクトで、鉱山作業用に特化した「鉱蒙OS」が実用化してから1年が経過したことを受け、同社の鉱山関連事業の現状について説明する講演を行った。

華為技術(ファーウェイ)の胡厚崑輪番董事長(輪番会長)は広東省深セン市内で7日に始まった華為全聯接大会(ファーウェイ・コネクト)で、同社が開発した鴻蒙OS(ハーモニーOS)を鉱山作業用に特化した「鉱蒙OS」が実用化してから1年が経過したことを受け、同社の鉱山関連事業の現状について説明する講演を行った。

ファーウェイのビジネスの進め方の特徴の一つとして、他者と可能な限り協業して顧客や業界にとって最適な製品やソリューションを提供することを重視する点がある。鉱蒙OSも、国有企業で石炭分野大手の国家能源集団と共同で開発した。

胡輪番会長は鉱蒙OSについて、石炭企業である神東煤炭集団の炭鉱13カ所と洗炭工場1カ所に導入されたと説明した。鉱蒙OSを利用する機器は3300基以上で、うち内モンゴル自治区内にある烏蘭木倫(オラーン・ムレン)炭鉱では、全ての機器が鉱蒙OSを利用するようになった。その結果、施設のスマート制御や決められた場所の無人巡回検査、機器のオンライングレードアップなど高効率化が実現し、かつては1日を要した作業が4分で終了できるようになったという。

胡輪番会長によると、炭鉱のデジタル化やスマート化で最初にぶつかる問題は、機器の相互接続が困難でデータを取り出せず、転送して利用することができないことだ。解決のためにはまず、最適なネットワークを構築せねばならない。ファーウェイは移動体通信のための5G、固定回路については光ファイバーを全面使用するF5G、さらにIPv6+の技術を坑道内にも取り入れた。その結果として低遅延と高度の信頼性が確立され、動画の中継やリモートコントロールなど炭鉱のスマート化に必要な要素を確立できたという。

ファーウェイは特定分野の業界に向けた技術を開発する際に、対象業界の実情や最も強く必要とするもの、最も喫緊に必要とするものを熟知する必要があると強調している。そのために、対象業界を熟知する企業との提携を重視している。鉱蒙OSの開発で手を組んだのは国家能源集団で、2021年9月以来、それ以外の30のパートナーとも共同で、わずか3カ月で開発を完了させた。鉱蒙OSは坑道内のIoT(モノのインターネット)に特化された初めてのOSだ。従来は坑内にある機器や設備の情報処理が統一されておらず、OSだけでも10種類以上あり、情報交換の規格であるプロトコルは500以上、データフォーマットもさまざまなものがあった。そのため相互接続が極めて困難で運用が極端に複雑だった。鉱業分野に特化された鉱蒙OSの出現で、これらの問題は一気に解決されることになった。


さらに、ファーウェイが開発した5Gや動画合成の技術で、遠隔操作が可能になった。そのことで、多くの場合は地表のオフィスで勤務すればよくなり、作業環境が大幅に改善するとともに、炭鉱事業そのものの安全水準が向上した。

映像の伝達では、アップリンクの場合にはGbpsの速度で、数百チャンネルのHD映像を送信することが可能になった。さらに、人工知能(AI)技術などを応用して、別々の画像を合成して監視することができる。また、坑内では粉塵のために視界が悪くなるが、ダストフィルタリングのアルゴリズムにより、粉塵が最も多い切羽部分(石炭切り出し部分)でも、20メートル先の様子を鮮明に確認することができる。

坑道を掘り進めていく作業は、事故が最も発生しやすく、炭鉱事故の40%が坑道の掘削中に発生する。安全確保はこれまで現場責任者の判断に頼っており、事故の50%以上はヒューマンエラーが原因とされている。新たに導入された技術では、5Gにより転送された現場映像をAIが判断して、リアルタイムで警報を出すことができる。

それ以外の異常の探知についても、人工知能アルゴリズムがベルトコンベヤーによる石炭搬出の状況やアンカーボルトなどの状態を監視できるようになった。坑道のベルトコンベアは全長20キロメートルも伸び、これまでは点検スタッフだけで20人近くを要したが、遠隔監視とAIによる判断を導入したことで、人員を20%削減することが可能になった。

どのような分野でも、スマート化を実現するには従前と比べて膨大な量の情報の取り扱いを可能にせねばならない。そのため、ハードウェアでなくてソフトウェアも抜本的に改善せねばならない。胡輪番会長は、「今後は数学や物理学、その他の基礎研究分野の成果により、5GプラスAIは、より多くの採掘シーンに適用されることになる」との見方を示した。


胡輪番会長はまた、坑内の作業の人員削減や無人化を推進することは、何百万人もの労働者に仕事を提供する産業を抹殺することが目的ではなく、生産と消費をより持続可能で環境にやさしい方式に転換することと説明した。それこそが「鉱業の成長」を意味するとの考えだ。

ファーウェイは、米国によるビジネス展開への圧力が高まったことを受け、産業向けビジネスにそれまで以上に力を入れるようになった。また、さまざまなビジネスでは、求められることが分野ごとに異なることを重視して、特に重要な分野については「軍団」と呼ばれるグループを設立した。「軍団」といっても軍事分野と関連しているわけではなく、軍組織が自己完結性を持つのと同様に、担当分野について需要の掘り起こしから製品などの開発、設置、アフターサービスまでを一貫して行える社内組織だ。

鉱業分野も「炭鉱軍団」と呼ばれる社内組織が設立された、ファーウェイが極めて重視する分野の一つだ。鉱蒙OSについては、大規模利用とすでに確立された手法の適用の段階に入ったという。(翻訳・編集/如月隼人


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