中国の大ヒットSF小説「三体」がアニメ化、成功なるか―中国メディア

Record China    2022年11月12日(土) 17時0分

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8日、環球網は2015年にヒューゴー賞を受賞したSF小説「三体」のアニメ版の成功の条件を分析する記事を公開した。

2022年11月8日、中国メディアの環球網は、2015年にヒューゴー賞の長編小説部門賞を受賞した劉慈欣(リウ・ツーシン)氏原作のSF小説「三体」のアニメ版が完成し、12月上旬からの放送開始が決定したことを受けて、同作品の成功の条件について分析する記事を公開した。

記事は初めに、中国国内のアニメ版「三体」への期待の高さについて説明した。「ヒューゴー賞はネビュラ賞と並んで、SFファンタジー文学界で最も名誉ある賞の一つとされており、15年の『三体』で劉氏はアジア人初の受賞者となった。同作品は当時、Facebook共同創業者のマーク・ザッカーバーグ氏やバラク・オバマ氏などの著名人も愛読しており、中国のSF小説の一里塚と称えられている」「原作小説がすでに一定以上のフォロワー数を持ち、高いアクセス数を疑いようがない『三体』は、ここ数年の間に各国の言語に翻訳されて世界中で出版されたことで、実写化やアニメ化など関連のプロジェクトは各方面の注目を集めてきた」「原作者の劉氏が『アニメもSF小説も想像力の芸術であり、アニメは特にSF小説の内容や作品世界を表現するのに適している』とコメントしたように、国内の三体ファンがアニメ版に熱い期待を寄せている」とした。

記事は続いて、中国国内のアニメ業界の傾向について説明した。「中国は多くのアニメファンを抱えながらも、その多くは海外作品によって満たされていた。『西遊記 ヒーロ・イズ・バック(原題:西遊記之大聖帰来)』、『ナーザ 魔童降世(原題:哪吒之魔童降世)』などの国産アニメ映画で新たなブームも起こり、市場や政策の後押しもあって、国産作品は制作量と品質を徐々に高めつつあったが、日米などのアニメ大国と比較すると『社会現象クラス』の作品を生み出すまでには至っていない」と指摘した上で、アニメ版「三体」が市場を満足させるために必要な条件が三つあると分析した。

条件の一つ目は「原作の内容を忠実に守ること」で、「高いお金を払って粗製乱造した例は市場に数多く見られる光景だ。ネタを持ってきただけのような、本来の意味ではない『拿来主義』になってはいけない。流行コンテンツのブランドの価値にあぐらをかいて、視聴者の期待を裏切ることに等しい」「原作を尊重した上で新たな部分を加えてこそ、市場の理解を得られる」と論じた。

二つ目は「テクノロジーや特殊効果で前例のない新要素を加えること」で、「アニメ版『三体』への期待は、中国アニメの技術レベルに対する試練である。西遊記やナーザなど、近年高評価を得た国産アニメは、制作過程において新技術の応用があった事実抜きには語れない」「エフェクトやモーションキャプチャー、アクティブシェードレンダリングなどの技術で文学作品の世界観をいかに表現するのか?。アニメ版『三体』は国産アニメをさらなる高みへといざなう作品になるのか?。視聴者はその回答を求めている」と言及した。

三つ目は「市場のニーズを深く掘り起こすこと」で、「一連のアニメや漫画関連のマーチャンダイジングから見て取れるように、現在のアニメファンの情熱は決して浅く冷めやすいものではない。推しのためならファンは誠心誠意尽くす」「アニメ制作企業と関連製品の開発企業が密接に協力すれば、ファンの好きな作品に対する旺盛な需要を満たすだけでなく、国産アニメ業界の市場の開拓にもなる」と論じた。

記事は最後に「長い年月を経て、我が国のアニメ産業は低年齢層の子ども向けから徐々に全年齢層を対象とした産業へと変化し、発展した。大衆の審美眼は多岐にわたり、ユーザーの需要は多様化している。関連企業は市場でのビジネスチャンスを把握し、独特な個性を持つ作品を多く生み出すことで違った年齢層の視聴者たちの期待に応えるべきだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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