娘からの「助けて」のメッセージで駆けつけた60代父親…梨泰院事故被害者の救出劇が話題ー韓国

Record Korea    2022年11月1日(火) 17時0分

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31日、韓国・ニューシスによると、ソウル・梨泰院の路地で起きた大規模な雑踏事故で20代の娘を失いかけた父親のエピソードが話題となっている。

2022年10月31日、韓国・ニューシスによると、ソウル・梨泰院(イテウォン)の路地で起きた大規模な雑踏事故で20代の娘を失いかけた父親のエピソードが話題となっている。

梨泰院の路地では29日夜、ハロウィーンのために集まった大勢の若者が転倒する事故が発生した。この事故で155人が死亡、152人が重軽傷を負った。

記事によると、京畿道城南市に住むチャンさん(62)は29日夜、梨泰院に遊びに行った娘から「横にいる人たちがみんな死んでいる」との電話を受けた。チャンさんは詳しく話を聞こうとしたが電波が悪く、通話が途切れてしまった。その後、娘から届いたメッセージを確認したチャンさんは「ただごとではない」と感じ、すぐにタクシーで娘が保護されている梨泰院派出所へ向かった。

娘からは「なんとか生き残ったが、足の骨が折れているようだ」「梨泰院で圧死事故が起きた」「家に帰ろうとしたが、下敷きになった」「ここにいる人たちはみんな死んでしまった」「助けて」「怖い」などのメッセージが送られてきたという。

チャンさんは当時の状況について「娘から電話がきたときは何のことか分からなかったが、午後11時半ごろに『心停止50人』とのニュースが出た」とし、「そのときに梨泰院近くに到着したが、交通規制により道路が混んでいたためタクシーを降り、娘のいる派出所まで1.5キロほど走った」と話した。

娘の状態はかなり悪化していたが、死亡者の対応が優先され少なくとも3~4時間は待機しなければならない状況だった。チャンさんはタクシーに乗るため、娘を背負って1キロ以上走った。タクシーがなかなか捕まらず一般車両にも助けを求めていると、自ら近寄ってきた30代の男女から「病院まで送る」と提案を受けた。近くの病院はすでにいっぱいで入れず、最終的にはチャンさんの自宅付近の病院で治療を受けることができたという。

娘は長時間圧迫されたため筋肉損失による腎臓損傷を負っていた。歩行が困難なほどまひしていた右足にはギプスが巻かれた。

チャンさんは「車に乗せてくれた若い男女は病院到着後も、車いすを持ってきて娘を運んでくれるなど本当にたくさんのことをしてくれた」「感謝の気持ちでお金を支払うと言ったが、受け取らずに帰って行った」と話したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「暗い話ばかり聞いていたから少しほっとした」「彼らは義人。韓国にもまだ希望があると思えた」「助けたい気持ちはあるけれど、実際に行動に移すのは勇気がいる。素晴らしい人たちだ」「60代の父親が20代の娘を背負って1キロも走るなんて命懸けの行為。父親の愛と、助けてくれた男女の広い心に癒やされた」「これが韓国人の情。緊急事態で手を差し伸べた2人を尊敬し、拍手を送りたい」「国の指導者は無能だけど、国民は偉大」などの声が上がっている。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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