ウルトラ・ブロードバンド5.5G実現に必要なことと到来する未来を紹介―ファーウェイ

Record China    2022年10月28日(金) 14時40分

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ファーウェイICTインフラ施設業務管理委員会の汪濤主任は27日、世界ウルトラ・ブロードバンドフォーラムの基調講演で、同社が提案している第5.5世代通信システムの構築についての考え方を披露した。

華為技術(ファーウェイ)の取締役であるICTインフラ施設業務管理委員会の汪濤主任は、27日にタイのバンコク市内で開催された第8回世界ウルトラ・ブロードバンドフォーラムの基調講演で、同社がかねてから提案している第5.5世代通信システム(5.5G)の構築についての考え方を披露した。なお、通信関連での「G」は多くの場合、「移動通信の世代」を示す際に使われる文字だが、ファーウェイは固定通信を意味するF5.5Gを含めて5.5Gの言葉を使っている。

汪主任は2030年の状況において、家庭ではブロードバンドの速度が1000Gbpsに達し、さらには1万Gbpsに向けて進んでいくと予測。家庭内のWi-Fiアクセス端末数は現在の1世帯当たり5-20カ所から150-200カ所へと増加し、光ファイバーが部屋にまで伸びていくと説明した。

教育機関や企業における情報の扱い方も大きく変化する。また企業は規模に応じて実現させるべきことが違ってくるが、いずれもマルチクラウド戦略を採用し、ネットワークルートを動的かつ柔軟に調整されていることが必要になる。

汪主任はさらに、「ウルトラ・ブロードバンド5.5Gはスマート世界に向けて必ず通らなければならない道であり、標準制定組織、政府その他の監督管理機関、通信事業者、設備業者などの業界パートナーが共同で推進する必要がある」と主張した。

汪主任はウルトラ・ブロードバンド5.5Gを実現するためには、いくつかの作業の推進を加速する必要があると述べた。筆頭に挙げたことは、業界標準の定義と業界の認識を統一させることだ。汪主任は光通信については、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が9月に発表したF5.5Gの標準を示す白書に言及。同白書によれば、スマートホームなどに関連する光ケーブル関連は、2025年までに段階的に標準化されていくという。

ファーウェイもまた、第8回世界ウルトラ・ブロードバンドフォーラムに際して「Net5.5G白書」を発表した。同白書は、よりシンプルで拡張性の高いネットワーク構成を実現するSRv6について、2023年までに産業界はSRv6の柔軟な調整能力を全面的に向上させるべきとの考えを示した。さらに2025年までに産業界は、計算能力とネットワークが自らの状況を感知して修正と学習を行うコグニティブネットワーク(CN)の応用をさらに強化し、産業向けにネットワークの確実性とユーザーごとの差別化を実現する能力を向上させることを主張した。

汪主任は次に、産業チェーンの川上と川下で技術の飛躍を実現する必要があるとした。例えば光回線の分野では、伝送速度を向上させるための技術であるGPON、10GPON、50GPONの規格を統一し、既存の光配信ネットワーク(ODN)を共有した上で、継続的かつ円滑なアップグレードを支えねばならないという。それらにより、全住宅に安定した1000Gbpsの環境を提供できるようになり、さらにローミングの切り替え時間を20ミリ秒未満にできる。

また光通信については、1本の光ファイバーケーブルに複数の波長の光信号を同時に乗せることによる、高速かつ大容量の情報通信手段である「波長分割」で使える波長域を5割増加させ、情報通信の性能を飛躍的に向上させる。

また、Wi-Fiの新たな規格となるWi-Fi7 についても、対応能力を向上させねばならないという。例えば、複数の通信主体が同一の通信路を利用した場合に混信することなく共用させるための多元接続(多重アクセス)技術であるOFDMAについては、OFDMAを柔軟に機能させるためのCo-OFDMAなどが必要になる。この多元接続は、ダウンリンクについてもアップリンクについても対処する必要がある。これらの措置により、企業はクラウド利用の効率を高めることができるという。

また、汪主任によれば、産業と個別企業の有機的なつながりである産業生態系が共に前向きに模索することで、5.5Gのウルトラ・ブロードバンドによる連結の価値を十分に発掘し、潜在力ある新たな応用を促し、産業生態系の一層の成熟を促さねばならない。

汪主任はさらに、ウルトラ・ブロードバンドに向かう流れが、すでに世界的に発生していることも指摘した。その根拠としては、建物まで光ケーブルが伸びているFTTHユーザーは過去10年間で7億9000人増加し、各部屋にまで光ケーブルが伸びているFTTRユーザーは過去1年で100万人以上増加しことや、産業分野では高品質の企業向け光回線専用線は5万本に達し、企業が利用するクラウド専用線は60万本を突破したこと。さらに企業が利用するWi-Fi6の接続スポットが2700万カ所を突破したなどを挙げられるという。

通信関連ではすでに、第6世代移動通信システム(6G)の構想が発表されることがあるが、ファーウェイ関係者はこのところ、5.5Gの共同構築を呼びかけ続けている。バンコク市内で25日と26日開催されたモバイルブロードバンド・グローバル・フォーラム2022でも、胡厚崑輪番会長が冒頭の基調講演で、5Gの導入がもたらした効果を強調すると同時に、まずは共同で5.5G関連の秩序ある発展を共同で構築することを訴えた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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