中国ウオッチャーの臆測呼ぶ胡錦濤氏退席、「政治的動きは人目に触れないのが常」と海外メディア

Record China    2022年10月29日(土) 7時0分

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中国共産大会最終日に胡錦濤前総書記が突然、退席したことに中国ウオッチャーの間で臆測を呼んでいる。中国では重要行事での政治的な動きは人目には触れないようにされるのが常だからだ。

中国共産党の第20回党大会最終日の22日に胡錦濤前総書記が係員に付き添われて突然、退席したことが中国ウオッチャーの間で臆測を呼んでいる、とロイター通信が報じた。中国では党や国の重要行事は綿密に式次第が計画され、政治的な動きは人目には触れないようにされるのが常だからだ。

胡錦涛氏は党のエリート集団とされる共産主義青年団(共青団)出身。李克強首相や次期首相候補とも目された胡春華副首相ら共青団系の幹部3人は今回の党大会で党指導部から外れ、ロイター通信は「個人独裁を防ぐため党が築いた集団指導体制は事実上、瓦解した」と伝えた。

さらに「こうした状況での胡錦濤氏の退席や突然の退席のタイミングは『本当は一体何が、なぜ起きたのか』をめぐり関心を集めた」と報道。「高齢からくる体調不良だったのか。もっと別の例えば胡錦濤氏による抗議の表れだったのか。あるいは習近平総書記(国家主席)による追放劇だったのか、などだ」と続けた。

ロイター通信によると、在中国の欧州商工会議所のイエルク・ブトケ会頭は「一つの時代が終わったように見える」とした一方、「率直に言って、極めて不気味に見えた」と指摘した。ブトケ氏は「1人の老人が明らかに苦しそうにしているのに、場内の誰一人として寄り添う感情を何ら見せていないことに本当に驚愕(きょうがく)した」とも話した。

オーストラリア国立大学のリサーチフェローのベンジャミン・ハースコビッチ氏は「このエピソードは恐らく中国の政治エリート層内の権力闘争以上に、中国の情報環境について多くを物語る」と言及。「胡錦濤氏は体調不良だったとのありふれた説明は確かにありそうなことに聞こえるが、中国共産党の高齢指導部やエリート政治集団に関する党の秘密主義からすると、もっと多くの、よりえげつない説明の方が当てはまる」と語った。

米カリフォルニア大サンディエゴ校のビクター・シー准教授は「本当は何が起きたのか自分には全く分からないが、タイミングが少々怪しいのは明白だ」との見方を示した。

退席についての中国当局からの論評は22日遅くに国営新華社通信が英語で「体調が優れなかったためだ」などと2本ツイートしただけ。これ以外の国内メディアは一切触れなかった。

ツイッターは中国ではブロックされている。国営テレビの同日夜のニュース番組は、退席前の胡錦濤氏や議場の様子を放映した。中国外交部は24日の定例記者会見で、退席やこれに対する世界からの注目に関する質問に対し、新華社のツイートを引用するにとどまった。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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