<サッカー>重量級の大スターが出現しないアジア、進むべき道は?―中国メディア

Record China    2014年6月26日(木) 23時50分

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26日、W杯ブラジル大会に出場したアジアの4チームは1次リーグ8試合戦って1勝もできていない。1998年のフランス大会以来、初めてのことだ。写真は中国のサッカー場。

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2014年6月26日、W杯ブラジル大会に出場したアジアの4チームは1次リーグ8試合戦って1勝もできていない。1998年のフランス大会以来、初めてのことだ。人民日報海外版が伝えた。

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アジアのチームが世界大会でわき役になるのは仕方がないとも言えるが、まったく期待がなかったわけではない。前回大会では日本と韓国が同時にベスト16入りした。ブラジル大会ではもっと上をねらえるのではとの声も高かった。

だが、1次リーグ8試合戦ってアジアのチームは振るわず、目立った成績を上げているチームはひとつもない。アジアを代表して参加した日本・韓国・オーストラリア・イランの4カ国はいずれも不調で、奇跡が起こらない限り、アジアは今大会でベスト16の出なかった唯一の大陸となりそうだ。

▼苦境:一勝の難しさ、1次リーグ突破は無理か

4チームのうちリーグ敗退が最初に決まったのはオーストラリアだった。「死のグループ」に入ってしまったオーストラリアは、最終試合でスペインに完敗。アジアの4強のうちで3戦全敗を喫した唯一のチームとなった。コンディションのいいオランダと対戦し、2得点した上に一時はリードしていたこともあり、スペイン戦での完敗という幕切れはいっそう悲劇性を高めた。

イランも苦戦が続く。初戦はナイジェリアと引き分け。第2戦はアルゼンチンとの激戦で90分にわたって粘ったにもかかわらず、ロスタイムにメッシの一撃に沈んだ。2敗のボスニア・ヘルツェゴビナと対戦する最終戦は、イランが挽回する最後のチャンスとなる。

どちらかと言えば、日本はアジアチームの中で1次リーグ通過を最も期待されていた。同グループのコロンビアとギリシャ、コートジボワールは、昔からの強豪チームではない。エースの本田圭佑は大会前、「優勝を目指す」と豪語していた。だが初戦のコートジボワール戦は1対2で敗北、続くギリシャ戦も引き分けに終わり、優勝の夢は早くもしぼんだ。

グループHの韓国チームも日本チームと同じような憂き目に遭った。ロシアとは引き分け、アルジェリアには敗北。最終戦は強敵ベルギーとの対戦となる。2対4で敗けたアルジェリア戦では、32年来ぶりのワールドカップでの勝利をアルジェリアにプレゼントした。アフリカのチームがW杯本選で4得点をあげたのはこれが初めてだ。

▼迷い:足りない実力、スター選手も現れず

アジアのチームは欧米のチームと比較して劣勢に立たされているだけでなく、アフリカのチームにも圧倒され始めている。今大会では、アジアのチームが史上初めてアフリカのチームに2敗を喫した。

イランを率いるポルトガル人のケイロス監督によると、アジアのチームに不足しているのは変化に対応する能力だという。「欧州の真似をしているだけでは駄目だ。欧州に近づいたと思った時には一歩先を越されている。欧州のサッカーも進歩しているからだ」と述べた。

今大会では、スペインを代表とする正確なパス回しが、攻撃性と侵略性の高い新戦術の「逆襲」を受けた。メインストリームから遠いアジアのサッカーは当然、この流れに対する調整ができていない。パワフルなスタイルで知られる韓国は、韓国より韓国らしいサッカーをするアルジェリアに敗北した。技術力で見せる日本は、技術と身体を兼ね備えたコートジボワールに撃沈された。

中国代表の監督を務めたボラ・ミルティノビッチ氏は、「技術も戦術も遅れていて、スピードやリズムで世界のサッカーについて行けていない。アジアのサッカーは進歩しているが、その進歩はまだまだ足りない」と語る。

アジアのサッカーのいわゆる進歩は、主に欧州リーグで活躍する選手の増加に体現されている。今年1月、日本の本田圭佑がセリエAのACミランに加入し、英プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの香川真司とともに、日本代表のフォワードの「デュアルコア」となった。韓国代表も23人のうち10人近くが欧州リーグでプレーしている。

だが欧州でプレーしている選手は多いが、スター選手にはなれていない。大きな期待がかけられて海外チームに加入した選手は、チームを引っ張る中心的な役割を担えておらず、チームが苦境にある時、方向を見失ってしまうだけではなく、内輪もめまで起こしている。

ミルティノビッチ氏は、「中田英寿や朴智星、アリ・ダエイ、カリム・バゲリなどの世代の選手が引退した後、次世代の選手たちはこれに匹敵するプレーをできていない」と指摘する。欧州サッカーのトップクラブで中心選手になれている選手はほとんどいない。

「重量級の大スターが出現しない限り、アジアのチームが歴史を刻むのは非常に難しい。アジアのサッカーの弱点だ」と述べた。

▼覚醒:ポジションを見定め再起をはかれ

日韓などのワールドカップでの惨敗は、アジア全体のサッカーが置かれている苦境の縮図と言える。戦術から選手まで、プロリーグから少年サッカーまで、次大会の出場を目指す中国チームにとっては、アジアと世界における自らの位置をはっきりと知ることが必要となる。

日本代表の元監督で中国スーパーリーグの監督も務めた岡田武史氏は、「アジアでは、欧州の各リーグで成果を出せるミッドフィルダーは少なくない。だが1年を通して安定したコンディションを保てるフォワードは自国のリーグでも数少ない」と指摘する。

西アジアから東アジアにやってきた「金満サッカー」が、中国で根を生やし始めている。サッカー市場を刺激すると同時に、実力が高まったような錯覚も生じている。だが、それがもたらした代表チームのフォワードの力不足を中国サッカーも味わうこととなった。海外で経験を積む選手の不足にもつながり、大スターの生まれる道を阻むことにもなる。

今大会のコスタリカの活躍は、中国サッカーにさらに直接的な衝撃を与えた。ワールドカップの昔日の対戦相手が、系統的な若手育成と科学的な計画によって強くなっている。中国のサッカーも基本に立ち返って再起を図る必要がありそうだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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