かつての日本を思い出す…台湾TSMCの米国工場建設で最終的に得をするのは?―中国メディア

Record China    2022年12月8日(木) 7時0分

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3日、人民政協網は、TSMCの米国への生産拠点移転について「最終的な受益者は誰」とする文章を掲載した。写真出典:Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.

2022年12月3日、人民政協網は台湾の半導体大手TSMC米国への生産拠点移転を進めていることについて「最終的な受益者は誰だ」とする文章を掲載した。

記事は、TSMCの創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏が11月21日に台北で、米アリゾナ州に建設した5ナノプロセス半導体工場の設備初搬入セレモニーを12月6日に開催すると発表したほか、今後数カ月以内に3ナノプロセスの先進半導体工場も建設する計画であることを明らかにしたと紹介。現在、TSMCの一部従業員やその家族、台湾のサプライヤーがすでに米国に赴いているとの情報が流れると、台湾のネットユーザーから「民進党がTSMCを米国に売り渡そうとしている」との懸念の声が飛び出したと伝えた。

その上で、国民党の元立法委員、蔡正元(ツァイ・ジョンユエン)氏が「1985年、当時非常に発展していた日本の半導体産業に対して米国が血眼になり、戦略的防御を理由として日本の半導体技術や人材を搾り取り、日本の半導体が衰退していったことを想起せざるを得ない。今、米国はTSMCの成果を強奪し、30年余り前に日本の半導体業界が味わった状況を再現しようとしている」と述べたことを紹介している。

また、米国が8月に中国をターゲットとして出したとみられる「CHIPS法」について、実はある程度において台湾をターゲットにしているのではないかとの見方が台湾のアナリストの間から出ていると指摘。「米国は故意に台湾海峡の情勢を緊迫化させ、台湾海峡の安全保障を理由に民進党当局とTSMCに圧力をかけ、TSMCを米国に移転させようとしている。民進党当局は自ずと米国の脛をかじることを選択し、両手でTSMCを差し出して米国への忠義心を示している」という台湾のジャーナリスト陳文茜(チェン・ウエンシー)氏の言葉を紹介した。

記事は、新型コロナの影響に世界経済が苦しむ中、台湾は大きな世界シェアを持つ半導体産業などによって大きな影響を受けていないとする一方で、台湾の産業は半導体に依存しすぎており、台湾経済が半導体産業の盛衰による影響を非常に受けやすくなっていると指摘。「米国からの圧力、中国の半導体産業の台頭という2つの圧力に直面する台湾の半導体産業は、戦略を練り直して用心深く前進しなければならない。ベストなのは、米国にすり寄ったり、中国とのデカップリングを起こしたりしないことだ。さもなくば台湾の産業は空洞化し「半導体によって成功し、半導体によって敗れ去る」という状況になりかねないと結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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