「世界の半導体産業、より厳しい状況に」、TSMC会長が語る―台湾メディア

Record China    2022年10月22日(土) 11時0分

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20日、ドイチェ・ヴェレはTSMCの会長が世界の半導体産業の状況は一層厳しいと語ったことを報じた。写真出典:Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.

2022年10月20日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、台湾の半導体製造世界大手TSMCの会長が世界の半導体産業を取り巻く環境が一層厳しくなっているとの見方を示したと報じた。

記事は、TSMCの劉徳音(リウ・ダーイン)会長が19日に開かれた台湾半導体産業協会の年次総会で、新型コロナの影響が3年近く続き、さらに米中貿易摩擦や地政学上の衝突がエスカレートする中で、世界の半導体サプライチェーンに対する打撃が一層強まっているとした上で「米中貿易摩擦、中台関係緊張の高まりが、半導体産業を含むあらゆる業界にとってさらに厳しい試練をもたらしている」と述べたことを伝えた。

また、劉会長は中国政府が近年自国の半導体産業発展を推進続け、米国も「TIPS法」によって自国の半導体開発、製造を大々的に支援する戦略を取っている中で、台湾の産業、政府、学術界がイノベーション、研究、人材の教育と引き止めなどに関する産業政策において「より具体的で、建設的な措置」を講じることで、台湾にとって非常に重要な半導体産業の優位性を確保することに期待を示したともしている。

その上で、米ウォールストリート・ジャーナルが19日、消息筋の話として、TSMCが日本政府の働きかけによって日本での生産を拡大し、地政学的リスクを低減することを検討しており、実現すれば熊本に建設される工場はより先進的な半導体生産を手掛けることになると報じたことを紹介。一方で、この情報について日本政府側はコメントを拒否し、TSMC側も20日に「日本工場は当初の計画通り進んでいる。市場のうわさについてはコメントを差し控える」と回答したことを伝えている。

また、ドイツメディアも先日、TSMCがドイツ東部の大都市ドレスデンへの半導体工場建設を検討しており、今月中にドレスデンのあるザクセン州の視察を行う予定だと報じたことを紹介。台湾メディアの報道によればTSMCはドイツへの投資を決定していないとコメントし、ドイツ連邦経済エネルギー省もこの件自体のコメントを差し控えたものの、「半導体企業がドイツに工場を建設するためのさまざまな支援は惜しまない」との姿勢を示したとした。

記事は、TSMCが大部分の半導体を台湾で製造し、中国やシンガポールにも工場を持っていると紹介した上で、先日行われたTSMCの法人向け説明会では今年の年間投資予算を少なくとも10%削減したとともに、今後の需要についてこれまでよりもさらに慎重な姿勢を示したと伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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