中国のEVは欧州で足場を固めることができるか―独メディア

Record China    2022年10月20日(木) 10時0分

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16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「中国の電気自動車(EV)は欧州市場に根差すことができるのか」とする文章を掲載した。

2022年10月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「中国の電気自動車(EV)は欧州市場に根差すことができるのか」とする記事を掲載した。以下はその概要。

653馬力で時速100キロまでの加速が3.9秒、航続距離500〜700キロでベーシックモデルの価格が6万9900ユーロ(約1000万円)という中国のEVメーカー・蔚来のSUV車ET7が10月に欧州に上陸し、来年1月より納品を開始する。蔚来はEVの進出とともにバッテリー交換のコンセプトも欧州に持ち込もうとしている。ドイツには現在1カ所しかバッテリー交換所がないが、年末までに19カ所に増設し、来年にはさらに100カ所増やす予定だ。交換所ではわずか数分でバッテリー交換が完了するという。

ドイツ最大のレンタカー企業シクスト(Sixt)は先日、今後6年間でBYDから10万台のEVを調達する計画を発表した。このほかにも上海汽車、吉利、長城といった既存のメーカー、さらには小鵬といったスタートアップ企業までも動きを見せており、専門家によれば20近い中国の自動車ブランドが続々と欧州市場に進出する見込みとのことだ。17年前に中国の自動車が初めて欧州に進出した際には散々な結果に終わったが、それはもはや昔の話なのである。

ただ、中国の自動車に詳しいアナリストのJochen Siebert氏は「本当に欧州、日本、韓国のメーカーと欧州市場で拮抗できる中国のメーカーはないと信じている」と語る。同氏は中国メーカーが持つ最も大きな優位性がカラオケ機能やAR技術を用いたディスプレイシステムなどの「各種のちょっとした電子装備」にあると見ており、中国市場では人気を集めても、伝統を愛する保守的なドイツの消費者は必要以上の電子設備を敬遠する傾向にあると見ているのだ。

また、「どの中国メーカーも独立しているとは言えず、地方や国からの支援を受け続けなければ現在のポジションを得ることはできていない」という根本的な問題を指摘する専門家もいる。

これに対し、独自動車マネジメントセンター(CAM)のStefan Bratzel氏は「BYDや蔚来といった中国メーカーが欧州市場でますます強力なライバルになりつつある」とし、中国メーカーには高まり続けるイノベーション精神という長所があり、西側のサプライヤーとの提携を通じて品質も向上しているとの見解を示した。

デュースブルク・エッセン大学自動車リサーチセンターのFerdinand Dudenhöffer教授は、反中国政策がドイツの自動車メーカーに甚大な打撃をもたらすと警告している。「中国を切り離せばドイツが失うものは多い。自動車工業は、イノベーション力という最もセンシティブな部分で打撃を受けることになる。今、イノベーションは中国が発信源になっている。その中国と関係を断ち切るということは各国市場の顧客を失うことになるのだ」と同教授は語った。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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