神の座から転落したシャインマスカットはどこへ向かう?―中国メディア

Record China    2022年10月14日(金) 6時0分

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中国メディアの農民日報は10日、「神の座から転落したシャインマスカット」と題する記事を掲載した。

中国メディアの農民日報は10日、「神の座から転落したシャインマスカット」と題する記事を掲載した。

記事は、「また一つ優れた果物が神の座から転落した」とし、日本から持ち込まれたブドウの高級品種であるシャインマスカットが近年、大きく価格を下げていることを紹介。「皮が薄く香りは濃厚で保存性にも優れているため、業界内で1000年に1度の品種と名高い。だが、この良質な品種が今まさに岐路に立たされている」とし、「プレミアム路線を歩むのか、生産量最大化を追求するのか。シャインマスカットはどこへ向かうのか」と述べた。

そして、価格急落の原因について中国果品流通協会の魯芳校(ルー・ファンシアオ)会長が「8~9月に江蘇省、浙江省、湖南省、湖北省などの大産地から集中的に市場に投入されたことで販売価格が下がった。現在、シャインマスカットはほぼ1年を通じて出荷されており、生産地や季節によって価格も変動している。特に今年は異常気象により各地で実が熟す時期が重なったため短期的な供給量の増加により価格が下落した」と語ったことを伝えた。

また、シャインマスカットは二極化が進んでいるとし、良質な商品は依然として高値で販売される一方、一部の大手ECプラットフォームでは500グラム10元(約200円)前後の極めて安価な商品も出回っていると説明。「シャインマスカットは2006年に中国に持ち込まれたが、その後10年は栽培技術が未熟だったため“無名”のままだった」とした。

早くからシャインマスカットを栽培していた王雪花(ワン・シュエホア)さんは、「11年に雲南省を視察し、翌年からサマーブラックやシャインマスカットの栽培を始めた。しかし、市場には受け入れられず、ほとんど売れなかったので、切り落とすしかなかった」と語った。転機が訪れたのは16年だった。記事は「この年はシャインマスカットが神の座に祭り上げられた年であり、(中国における)栽培拡大の出発点となった」と説明。人気が上昇するにつれ、以降の栽培面積は5年間で数十倍になったという。

王さんは「栽培について言えば、シャインマスカットの管理はそれほど難しいものではない。園を整備してから豊作に至るまでの期間は短い。1年目の苗の管理が適切であれば、2年目には良好な生産量を見込める。そのため、シャインマスカットの生産量が急速に伸びていった」との見方を示した。

ただ、統一した基準がないことや一部の農家が利益優先で熟す前に出荷するなどしたため、品質にバラつきが生じ、結果としてシャインマスカット全体の価格や評判が低下した。記事は「高品質であればこそ高値で販売することができる。いかにして生産量を増やすと同時に質を高め、栽培農家に収益をもたらし、消費者にも満足してもらうか。これが業界の喫緊の課題になっている」と指摘。魯氏は「問題を根本的に解決するには、無秩序な生産拡大を根絶することが鍵になる」と述べている。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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