シャインマスカットへの不評相次ぐ、「悪貨は良貨を駆逐す」になるのか―中国メディア

Record China    2022年10月11日(火) 12時0分

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中国メディアの中国食品報は9日、シャインマスカットは「悪貨は良貨を駆逐す」を演じることになるのかとする記事を掲載した。

中国メディアの中国食品報は9日、シャインマスカットは「悪貨は良貨を駆逐す」を演じることになるのかとする記事を掲載した。

記事は、シャインマスカットについて「日本が原産で『ブドウ界のエルメス』と呼ばれて高値で販売されていたが、中国や韓国に持ち込まれてから価格が急落している」と指摘。その原因として、中国果品流通協会の魯芳校(ルー・ファンシアオ)会長が「当初は生産量が少なく、消費者にとっても新鮮だったため高価だったが、近年は栽培面積が増加し、供給量が増えたことで全体的な価格が下がった」と語ったことを紹介した。

魯氏はまた、供給量の増加と共に品質にバラつきが現れたことも価格低下の原因だと分析。記事によると、中国では現在のところ統一した品質基準がなく、一般に買い取り業者が糖度や粒の大きさ、実の数などによって1~3級に区別している。グレードの高い1級の価格は依然として高値で推移しているものの、2、3級はかなり安価になっており、消費者に「価格急落」との印象を与えているという。

記事は、消費者から「味は驚くほどではなかった。他の品種のブドウにも劣る」「以前ほど香りが強くなくなった。皮も厚くなった」「実が小ぶりで甘みも足りない」などシャインマスカットに対する不評が相次いでいるとした上で、中国農業科学院果樹研究所の王海波(ワン・ハイボー)副所長が「作るのは簡単だが、うまく作るのは難しい」と語ったことを説明。同氏によると、栽培する農家が増える一方で技術の普及が追いつかず、市場は玉石混交になってしまったそうだ。

魯氏は「シャインマスカットはよく売れるため、一部の農家が利益ばかりを追求して品質を軽視している」と指摘。利益追求のため、中には熟しきる前に収穫してしまう農家や、生産管理がきちんとなされていないケースもあるという。江蘇省南京市で農家を営む李(リー)さんは、「量を優先して味を犠牲にする人がいる。農家は長期的な利益に目を向け、この品種の評判を落とさないようにすべきだ」と語った。

また、南京農業大学経管学院農経学部の胡浩(フー・ハオ)教授は「シャインマスカットはすでに供給過多になっている。将来的には品質の悪い製品がさらに大量に出回り、品種全体のイメージに悪影響を及ぼし、『悪貨が良貨を駆逐する』(悪いものほど流通し、良いものがなくなってしまう)現象が起きる可能性がある」と警鐘を鳴らした。

王氏は「価格の変動は市場によって決まるが、品質はある程度自分で決めることができ、質の良い商品は高値で売れる。農家は市場の飽和度を考慮し、生産量を抑えて質を高めるべき。質を高めることこそ利益につながる」と述べた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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