日本の果物品種の韓国流出はここまで、中国で「自主開発が必要」と強調―中国メディア

Record China    2022年10月3日(月) 10時0分

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中国で、日本で品種改良された多くの果物が韓国に流出している状況を紹介する記事が発表された。同記事は、中国は自主開発に注力する必要があると強調した。写真は韓国産のシャインマスカット。

中国のポータル/情報サイトの新浪網は9月30日付で、日本で品種改良された多くの果物が韓国に流出して、韓国からの輸出が盛んに行われている状況を紹介する記事を掲載した。同記事は、中国では品種改良が遅れているとして、自主開発に注力する必要があると強調した。以下はその概要。

■日本は「輸出しないなら海外での登録は不要」と考えた

日本の農林水産省は2021年4月9日、イチゴの「あまおう」など農産物海外への持ち出しを禁止する農産物1900種のリストを発表した。同4月1日に施行された改正種苗法に基づく制度整備の一環だ。日本は農産物輸出5兆円の政府目標に向けて国産ブランドの保護を強化した。

しかし、日本からの「品種の流出」はずっと前に始まっていた。例えば石川県の研究機関が14年に渡って開発を続け、2007年3月に日本国内における品種登録を行ったブドウの「ルビーロマン」も、韓国に流出したとされている。DNA検査をしたところ、遺伝子のタイプが日本の「ルビーロマン」と同じだったからだ。

韓国では、この「ルビーロマン」に由来すると思われるブドウが、英語、日本語カナ、ハングル文字で商標登録されていることが分かった。「ルビーロマン」は数が少なく、21年には1房140万円の値がついたこともある高級品種だ。日本では当初、「ルビーロマン」を輸出するかどうか未確定として、海外における登録申請をしていなかった。新品種保護のための国際条約であるUPOVにより、「ルビーロマン」では申請期限の問題により、韓国で新品種登録出願をすることができなくなっていた。

■日本のイチゴ輸出、韓国による損害は2012-17年で220億円

韓国はイチゴの輸出を盛んに行っている国でもある。15年には3303万ドル(22年10月2日現在のレートで約48億円)だった輸出額は、15年には5379万ドル(同約78億円)とほぼ倍増した。最大の輸出先は中国大陸部と香港で、他にも東南アジア一帯及び北米大陸やニュージーランドなど、20カ国ほどに輸出されている。

05年時点で韓国産イチゴの90%以上が、日本の品種だった。韓国が日本の品種の導入を始めたのは1990年代で、日本の個人、企業、地方自治体は当初、韓国における「個人名義」での栽培を認めていた。韓国ではその後、日本のイチゴ品種を交配して、新たな品種を登場させて全国に普及させることに成功した。

日本の関係省庁はこの事態に驚いて、韓国産イチゴの遺伝子検査、韓国人研究者の締め出し、栽培室への立ち入り禁止を求めるようにしたが、「時すでに遅し」だった。日本の農林水産省によると、12-17年に、イチゴ輸出市場において、韓国の権利侵害により日本は約220億円の損害を被った。

シャインマスカットについても、日本側が海外での登録を怠っていたために、UPOVの定めに基づいて日本国外での品種登録ができなくなった。日本側は数年前になり、シャインマスカットが中国や韓国で大量に栽培されていることを知ったが、やはり「時すでに遅し」だった。

■中国は「日本の失敗」から学ばねばならない

中国は農業生産大国であり、果樹分野も急速に発展しており、栽培面積と生産量はいずれも世界のトップだ。しかし高級果実では今も輸入品種が主流だ。リンゴ全体に占める国外由来品種の市場占有率は50%、ブドウの場合には90%に達している。

農業科学技術の分野で、もっとも重要なのは「種子」だ。工業分野の半導体チップと同様の価値を持つ。中国では果物の遺伝子資源は豊富だが、優秀品種の選別と育成は外国に遅れを取っている。品質では外国の品種に及ばず、消費者の受け入れ度も低い。

果実分野で新たな品種を登場させるには時間がかかる。日本では、新品種の育成に約24年をかけてきたという。中国は今後、品種の育成により多くの力を注がねばならない。自らの手でより多くの品種を生み出してこそ、果物関連の事業でより多くの自由を獲得することができる。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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