進行する米ドル高、「壊滅的な影響及ぼし世界経済を後退に向かわせている」と中国メディア

Record China    2022年10月1日(土) 18時0分

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米ドル高について、中国メディアは「世界に壊滅的な影響を及ぼしている」と報道。「米国はドル覇権を利用して世界経済を後退に向かわせている」と非難した。

進行する米ドル高を中国メディアが取り上げ、「世界の観測筋は米国の金融政策を受けたドル高進行は世界に壊滅的な影響を及ぼしていると見ている」と報じた。「米国は金融政策と為替レートを重要ツールとしている」とも指摘。「ドル覇権を利用して世界経済を後退に向かわせている」と非難した。

ドル高について、中国網は「「為替レートの『はさみ状価格差』がインフレにより世界を刈り取っていると分析する声もある」と指摘。「発展途上国であってもその他の先進国であっても、自国通貨の対米ドルレートが下落すると、ドル建てで輸入される大口商品の価格が上がり、自国の物価上昇がエスカレートする。米国の場合は他国からの輸入品が安くなるため、ドル高は国内の物価上昇率を抑える手段の一つになっている」と続けた。

記事は「ユーロ圏を例とすると、8月の物価上昇率は年率換算で9.1%に上っており、欧州中央銀行の2%という中期物価目標をはるかに上回っている」と説明。「ユーロ圏19カ国のうち9カ国の物価上昇率が年率換算で2桁台になっている。ドルに対するユーロ安後、欧州は米国からドル建ての原料と半製品を高い金額で購入し、米国から物価上昇の圧力を転嫁されている」と述べた。

さらに「インフレ進行と自国通貨安などの圧力を受け、多くの国がFRB(米連邦準備制度理事会)に追随し利上げせざるを得なくなっている」と論評。バンク・オブ・アメリカのチーフエコノミストであるイーサン・ハリス氏の言葉を借りるならば、「世界は利上げ競争に陥っている」とした。

FRBの今回の利上げの前後に、スウェーデンスイス英国、南アフリカの中央銀行が大幅な利上げに踏み切った。うちスイス中央銀行の利上げは、欧州の10年にわたるマイナス金利時代の終了を意味する。日本はマイナス金利政策を維持している唯一の主要経済国となった。

債務危機に関して中国網は「ドルの覇権が世界に危害をもたらすことのもう一つの重要な現れだ」と言及。「FRBの金融政策の急転直下により世界の流動性が大幅に低下し、貸し付けの選好が攻めから守りに転じ、資本の米国への回流が始まっている。すでに多くの負債を抱えている新興国は債務から抜け出せなくなっている」と分析した。

その上で「米国のイエレン財務長官もドル高は新興国、特に大量のドル建て債務を抱える国に危機をもたらすと認めた」と紹介。世界銀行のチーフエコノミストであるインダーミット・ギル氏は英紙「フィナンシャル・タイムズ」の取材で「新興国の債務危機が特に際立っている。世界金融危機の前と比べると、一部の低所得国がより脆弱(ぜいじゃく)になっており、世界的な引き締めを背景とし債務の苦境に陥る可能性があると述べた」と伝え、警鐘を鳴らした。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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