問題山積のホンダ、中国市場での持ち直しなるか―中国メディア

Record China    2014年6月26日(木) 6時40分

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23日、中国市場で高い人気を誇った自動車メーカーのホンダは数年前、経営不振から再調整を図った。だがその効果はまだ明らかとは言えない。まだ時間が必要なのか、それとも下り坂のホンダにもう挽回の余地はないのか。写真は広汽本田。

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2014年6月23日、中国市場で高い人気を誇った自動車メーカーのホンダは数年前、経営不振から再調整を図った。だがその効果はまだ明らかとは言えない。まだ時間が必要なのか、それとも下り坂のホンダにもう挽回の余地はないのか。中国経済網が伝えた。

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ホンダの中国進出から今年で16年になる。「三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」を企業理念とし、技術革新と開拓進取の精神を重んじるホンダは、中国市場だけでなく、米国や欧州など世界の自動車市場で好調な経営を実現した。

だが自動車業界のアナリストの見方は厳しい。「ホンダは時代とともに変わろうとしていない。人気のあるわずかな主要車種に頼り、製品構成が合理性を欠いている。技術革新のスピードも遅く、品質問題も指摘されている。こうした問題は、ホンダの中国市場での発展を阻み始めている」という。

▼合理性欠く製品構成

ホンダの中国展開は、「東風本田」と「広汽本田」の2社の合資完成車メーカーを通じて進められている。東風本田の傘下には、「CR-V」「傑徳(ジェイド)」「思域(シビック)」「思[金白]叡(スピリア)」「思銘(Ciimo)」「艾力紳(エリシオン)」などの車種がある。だが「小型車の大量販売」という原則を取ってきた同社は、SUV市場でベストセラーのCR-Vの販売に過度に依存し、その他の車種は事実上、わき役になっている。

東風本田の販売車種がバランスを欠いているのと同じく、広汽本田の収益源となっている車種も「凌派(クライダー)」「雅閣(アコード)」「飛度(フィット)」を数えるだけだ。公式データによると、今年第1四半期のクライダーの販売台数は5万224台で、広汽本田全体の販売台数の50%前後に達した。またアコードは昨年通年の販売台数は11.95万台で、総販売台数43.5万台の27.45%を占めた。

だが中国市場で成功している自動車ブランドを見ると、わずかな車種に依存しているブランドは少なく、仮にあっても長期的な発展はなかなかできないのが現実だ。フォルクスワーゲンの強さは、「Sagitar」「Passat」「Santana」「Magotan」「Jetta」「Polo」「Lavida」「Golf」がいずれも各細分市場でトップレベルに位置していることにある。ホンダの製品構成がこうもバランスを欠いているのを見ると、同社が今後どれだけ持ちこたえられるかには疑問を呈さざるを得ない。

▼品質に高まる懸念

広汽本田のアコードが起こした「結婚式事件」騒ぎを覚えている人はいるだろうか。当時の報道によると、2005年1月9日、杭州で花嫁を迎えに行くために使われた2004年版のアコードが、衝突によって車体が二つに分断され、乗っていた5人のうち3人が死亡し、2人が負傷したという。「数カ月使っただけの新車が真っ二つとなってしまったことに、人々は驚きをおぼえると同時に、アコードの車両の品質と安全性にも疑いの目を向け始めている」と報道された。

広汽本田はこれに対し、回避と沈黙という態度を取り続け、「品質とは無関係」との立場を貫いた。公式調査も広汽本田の主張を裏付けた。だが車体の分断というスキャンダラスな事件は、広汽本田の品質に対する消費者の不信の種となった。

品質監督団体「質量万里行」によると、2013年の9代目アコードにも発売以来、ブレーキの振動や車輪ハブの異常な損傷、パワーステアリングポンプの異常音などの苦情が続いている。同年11月にはガソリン漏れを訴えるオーナーが40人に達したが、ホンダはこれを「個別の現象」として取り扱っている。

▼モデルチェンジの遅さと高価格

アコードの世界市場での販売台数は2013年末までに1900万台に達した。中国市場でのアコードの意味について、あるメディアは、「広汽本田が1999年、世界同時発売となる6代目アコードを中国市場で売り出したことは、中国の自家用車の発展を速めた。その好調な売れ行きを見た大手のグローバル企業各社は、中国市場の重要性を無視できなくなった」と評価している。

アコードの登場は、ジェッタと富康、サンタナが主流だった中国の道路の風景を一変させた。アコードはまたサンタナに代わって公用車の代表ともなった。だが6代目から昨年登場の9代目まで、アコードのモデルチェンジは地味なものにとどまっている。CR-Vは2004年に中国で売り出されてからの10年間で3回のモデルチェンジを行ったが、いずれも二輪駆動を四輪駆動にする、外観をマイナーチェンジするなどにとどまり、コア技術が大きく変えられることはなかった。フィットは初代の販売が5年近く(2003年-2008年)、2代目の販売が6年近く(2008年-2014年)続き、3代目は今年ようやく登場したばかり。本田のモデルチェンジはやはり遅いと言わざるを得ない。

価格も問題だ。例えば新型フィットは、各方面で確かに性能が向上した。だが中国市場には強力な競争相手が増えている。消費者に人気のフォルクスワーゲンの新型POLOの価格は6.34万元(約100万円)から12.41万元(約200万円)程度。新型フィットは1300ccのエンジンをやめて1500ccが採用されているという長所はあるが、定価は7.38万元(約120万円)から11.28万元(約180万円)程度。エントリーモデルの価格は従来型とほぼ同じだが、POLOと比べてもフィットは高い。

ホンダは今年下半期、オデッセイやクロスツアー、シビック、スピリアなどのモデルチェンジを予定している。だが革新的な新車種の発売計画は空白のままだ。ホンダはこのまま、旧来の車種で「最後」まで走り続けるつもりなのだろうか。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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