「媚日」コンプレックスの氾濫は日本の台湾食いを加速させるだけ―中国メディア

Record China    2022年9月16日(金) 6時0分

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14日、中国紙・環球時報は「媚日コンプレックスの氾濫は日本の台湾食いを加速させるだけ」と題した記事を掲載した。写真は台北駅の日本観光の広告。

2022年9月14日、中国紙・環球時報は「媚日(日本に媚びる)コンプレックスの氾濫は日本の台湾食いを加速させるだけ」と題した記事を掲載した。著者は正奇経緯シンクタンク特約研究員の李牧野(リー・ムーイエ)氏。

記事は、「米国が台湾との海上の情勢をかき乱すにつれ、日本国内の一部の政治家、特に右翼勢力もこの機に乗じて『台湾の有事は日本の有事だ』と騒ぎ立て、島内の民進党陣営との癒着を強めている」と述べた。民進党当局もこの機会を利用し日本などの外部勢力にくっついて勢いを強めているとし、「その過程で再び強い親日、ひいては媚日コンプレックスをあらわにした」と述べた。

この「コンプレックス」について記事は、「半世紀に及ぶ日本の対台湾植民地化の歴史と密接に関連しており、深い現実的な政治経済と社会的基盤もある」とした。「日本と台湾の経済関係は極めて密接だ」とし、「第二次世界大戦以降、日本は経済の急速な回復と成長により、一時東アジアの『雁行形態論(経済発展の一般理論)』のリーダーとなった。台湾は日本の技術移転を受ける委託生産、組み立ての役割を果たしてきた。貿易のデータを見ると、日本は常に台湾の重要な貿易パートナーであり、海外からの投資と技術の最も主要な供給源の一つだ。台湾の統計によると、2021年の台湾の対日貿易赤字は269億ドル(約3兆8000億円)で、貿易額全体では大幅な黒字でいるのとは対照的だ」とし、「経済分野での長期的な『日本が上で台湾が下』の状況は、日本の台湾に対する上から目線の心理と台湾の日本に対する服従の心理を形成している」と述べた。また、「日本による台湾植民地化運動の毒を受け、島内の『台湾独立』分子は長期にわたって日本と台湾の親善を唱えてきた。民進党当局は政権発足後、日本の台湾侵攻の歴史の白紙化に力を入れ、台湾民衆の歴史観とアイデンティティーに深刻な影響を与えている」とした。

さらに、「警戒すべき問題は、このような媚日コンプレックスがすでに民進党当局の対日癒着を強化し、海を隔てて独立を企てる対外政策路線に溶け込んでいることだ」とし、「民進党当局は発足以降、親日勢力の典型的な人物である謝長廷(シエ・チャンティン)氏を駐日代表とし、日台双方の高官の頻繁な交流を推進した。経済分野では『台日産業協力推進弁公室』などのプラットフォームを利用して産業協力を強化し、安全分野では『地域の平和と安定を保障する』ための日台協力をふれ回るなど、日台の癒着が強くなっている。中国と米国の戦略的駆け引きが深化するにつれ、日本では右翼保守勢力が顕著に台頭し、台湾にかかわる日本の政策に明らかな変化が現れた。台湾海峡問題での常軌を逸した言動がますます多くなり、特に故安倍晋三元首相を筆頭とする一部の右翼政治家が『台湾有事は日本有事』と公言し、『中国の軍事挑発を防止する』と主張し、露骨に台湾カードを切って中国の内部事情に干渉している」と述べた。

記事は、「現在、民進党当局の対日癒着の加速と日本側の持続的な誤ったシグナルは、台湾島内の一部の民衆、特に民進党支持者に幻覚を抱かせている」とし、台湾でこのほど行われた世論調査を引用した。調査によると、台湾海峡有事の際、「日本が台湾を助けてくれる」と考える割合は米国を上回っている。

記事は、「しかし残念ながら、台湾の一部の人々が日台関係を『あなたと私が双方向に駆けつけるもの』と誤認している間に、日本は台湾に対する実質的な利益の脅し取りを少しも放棄していない」とし、「(今年8月に)日華議員懇談会の古屋圭司会長が台湾を訪問した際、『台湾を支援して利益を図る』という一面を余すところなく見せた。台湾行政部門責任者の蘇貞昌(スー・ジェンチャン)氏に(福島第1原発事故後の)日本産食品輸入規制問題を徹底的に解决することを強調し、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統に新幹線高速鉄道車両を直接売り込み、『日台の固い友情の具体的な象徴』と称した。事実、民進党当局は政権発足後、『日本に会えば必ず軟化する』という時局に陥っており、中華民族全体の利益にかかわる尖閣諸島問題であれ、現実の漁業問題であれ、民進党当局は胸を張って身内を擁護することができない」とした。

また、「さらに重要なのは、現在の国際情勢全体に深刻な変化が生じており、特に中米の戦略的駆け引き、新型コロナウイルスウクライナ情勢など複数の要素の影響を受け、世界の産業チェーン運営の基礎となる論理にも深刻な変化が生じていることだ。効率の優先から効率と安全を重視する方向へと徐々に転換している。各国と地域は次々と安全論理を考え、グローバルなサプライチェーンにおける自らの役割を調整しようとしている」とし、「一方、日台の経済発展の水準と産業競争力が日増しに近づくにつれ、双方の経済分業も従来の『日本が上で台湾が下』ではなく、垂直分業と水平分業が併存する複雑な競合関係になっている」と指摘した。

記事は、「日台の産業働向を見てもわかるように、日本はここ数年の台湾企業の強気な拡大に対して複雑な気持ちを持っており、警戒心さえ抱いている」とし、2016年に台湾の鴻海精密工業が日本のシャープを買収したことに言及。「最近、鴻海は電気自動車市場への進出を宣言し、日本の関連企業を買収する準備を進めている。日本では早速、メディアや専門家から『警戒せよ』『技術に触れさせてはいけない』との今までにない声が上がった」とした。さらに、「半導体分野での日台協力も、民進党当局や同陣営の勢力が想定していたほどうまくはいかなかった。台湾側は自社の産業の優位性を委託生産の分野から上流の半導体装置や材料分野に拡大し、完全な産業集落をつくろうとしている」と述べた。

記事は、「このような変局の下で、民進党当局とその陣営の台湾独立分子の媚日コンプレックスと政策の方向は、台湾海峡をより大きなリスクと波乱にさらすだけでなく、台湾をより多くの経済的損失と社会的代価にさらすことになる。中国と台湾の明るい前途を理性的に深く考え、『(中国)大陸に溶け込み、世界に向かう』という発展の道を歩むことこそ、台湾にとってより良い選択であるべきだ」と主張した。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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