中国がアフリカの貧困国の関税撤廃、利益を得るのは誰か―独メディア

Record China    2022年9月15日(木) 9時0分

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11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がアフリカの貧困国の輸入関税を撤廃する措置を発表した意味について報じた。写真はモザンビークの首都マプト。

2022年9月11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がアフリカの貧困国の輸入関税を撤廃する措置を発表した意味について報じた。

記事は、中国がアフリカで最も発展が遅れているとされる中央アフリカ、チャド、ジブチ、エリトリア、ギニア、モザンビーク、ルワンダ、スーダン、トーゴの9カ国に対し、農作物や鉱産物を主とする原産品のうち98%の税目に対して9月1日よりゼロ関税を適用することを発表したと紹介。習近平(シー・ジンピン)国家主席が昨年11月の中国・アフリカサミットで、アフリカからの農作物の輸入を段階的に拡大し、3年後には輸入額を3000億米ドルにまで高めることを発表していたと伝えた。

一方で、モザンビークの経済学者ジョアオン・モスカ氏が「中国の新たな関税政策はモザンビーク経済にほとんど影響を生じない。なぜなら、モザンビークは長きに渡り食糧輸入に依存しており、製品の大規模な生産、輸出能力を備えていないからだ」と語るとともに、モザンビークにとって中国が3番めの貿易パートナーであるものの両国間の貿易はほぼ「一方通行」であり、モザンビークの国際収支バランスに悪影響を与えている状況から、「中国による関税撤廃は相手国の貿易赤字や債務の減少を助けることにならない」との見方を示したことを紹介した。

また、中国がモザンビークのエネルギーや鉱産資源に対してますます強い興味を示しているとし、近ごろでは韓国と協力してカーボ・デルガド州にある盆地の天然ガス採掘プロジェクトを立ち上げ、2024年に生産を開始する計画であると紹介。米コロンビア大学の世界エネルギー政策研究センターのハリー・ベルホーベン氏が「アフリカの鉱産物の関税撤廃は、多くの状況において、中国の輸入業者がより安く製品を購入できるようになるだけだ」とコメントしたことを伝えている。

記事はその一方で、ベルホーベン氏が「アフリカの最貧困国にとっては、中国による関税引き下げは輸出の多様化を促進している面もある」と述べたことを紹介し、中国が世界最大の食品輸入国であり、アフリカ諸国にとって農業が最も重要な雇用創出の場、経済推進の原動力であることから、農業製品の関税撤廃は双方にとってメリットとなる可能性があると伝える一方で、「地政学的な枠組みで中国による措置を見る必要もある」と指摘。とくにウクライナ戦争で多くのアフリカ諸国がどちらの側に立つかの厳しい選択を迫られている中で、中国が利益を得ようとしているとするモスカ氏の見解を併せて伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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