中国最大規模の歌番組「中秋晩会2022」、海外でも大きな反響―中国CMG

Record China    2022年9月11日(日) 8時0分

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中国中央広播電視総台(CMG)は10日夜、旧暦8月15日の中秋節を祝う中国で最大規模の歌番組「中秋晩会」を放送した。日本人向けにも同時通訳付きでネット配信されるなどで海外での反響も大きかった。

中国中央広播電視総台(CMG/チャイナ・メディア・グループ)は10日午後8時から10時にかけて(日本時間同日午後9時-11時)、「中秋晩会」と題する大型芸能番組を放送した。同番組は歌を主体とする番組として中国で規模が最も大きく、中国国内向けに複数のチャンネルで放送されただけでなく、衛星放送や動画サイトを通じて全世界に届けられた。日本人向けにも同時通訳付きでネット配信されるなどした。

中国では古くから、旧暦8月15日(2022年は9月10日)の中秋節の夜には、家族が集まって名月を鑑賞する習慣がある。その際に月餅と呼ばれる焼き菓子を食べる習慣もある。月餅とは満月の形を模したものであり、丸い形は家庭円満を象徴するとも言われる。また、中秋節が近づくと親しい人に月餅を贈る習慣もある。中秋節は中国人および海外で暮らす中国系住民にとって、家族に対する情愛や友人との感情を新たにする年中行事だ。


中国での「年中行事番組」としては、旧正月(春節)を迎える晩に放送される「春節聯歓晩会」(春晩)が有名だ。「春晩」は歌や演奏だけでなく、踊りやコント、日本の漫才に相当する「相声」などの多彩な演目が特徴な「総合娯楽番組」だが、「中秋晩会」は芸術の秋にもふさわしく、歌などの音楽を中心とする特徴がある。「春晩」の第1回放送が1983年だったのに対して、「中秋晩会」は1991年だった。「中秋晩会」は「春晩」に比べれば後発だが、それでも30年以上の歴史を持つ、「秋の風物詩番組」に、そして中国でも最大規模の歌番組に成長した。


2022年の「中秋晩会」では「思想と芸術と技術の融合」が強調された。メーンの会場は江蘇省蘇州張家港市内に設けられた。演目としてはは崑曲や評弾も披露された。崑曲は、現在は江蘇省蘇州市に属する崑山地域で16世紀半ばまでに成立した伝統音楽劇で、京劇など中国各地の伝統劇の中でも格式が特に高いとされ、強い影響力を発揮しつづけた。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている。

評弾は江蘇省などで盛んな伝統芸能で、楽曲に合わせて物語を歌い語る。日本の「浪花節」と同系統の芸能だが、旋律がより重視される特徴がある。

2022年の「中秋晩会」では、遠く離れていても故郷を思う気持ちなどが特に強調された。また、創作歌曲ではあるが歌詞に李白蘇軾の作品を織り込んだ「遊仙吟」が披露されるなどで、中国の伝統文化に対する誇りも強調された。


演出面では「円」が強調された。例えば、直径60メートルの円形の360度パノラマステージが設けられたなどだ。「円満」という言葉があることでも分かるように、中国文化において「欠けた部分がない円」は、「満ち足りた穏やかな状態」のシンボルだ。「円」を強調した演出は、天上で輝く丸い満月と、「円満な地上」が呼応する状況も印象づけた。

2022年の「中秋晩会」は技術面では、8K高精細映像技術と3次元ビビッド・オーディオを初めて採用した。また、中国全国70都市に大型モニター270基余りを設置して、8K映像を提供した。また、番組中では実写と仮想現実(VR)を融合させた高度な技術による映像も、ふんだんに紹介された。

今年の中秋節は、中国の宇宙飛行士3人が、自国の宇宙ステーション「天宮」に滞在中に迎えたことでも注目された。宇宙飛行士らは事前に撮影した映像を、「中秋晩会」に提供した。


中国では経済成長などに伴い自国や自国の文化に対する誇りを強める人が多いこともあり、伝統的な年中行事がますます重視される傾向がある。中秋節や清明節、端午節などの伝統的な年中行事の日は、2008年になってから法定休日に組み込まれた。また重要な行事の際の大型番組はネット配信の発達などもあり、海外でも大きな反響を呼ぶようになった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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