中国で客の荷物を紛失した配送業者の対応が物議を醸している。

中国メディアの新源視頻によると、広東省深セン市在住の女性・夏（シア）さんは今年3月、1万1000元（約22万円）で購入した新品未使用の「iPhone13 Pro Max」を江蘇省にいる家族に送った。しばらくしても家族の元に届かなかったことから配送を依頼した「順豊エクスプレス」に問い合わせると、「新型コロナウイルスの影響で届けることができていない」と返答された。

その後、何度か問い合わせるも同様の答えに終始する同社に不信感を抱いた夏さんが問い詰めると、同社はようやく荷物を紛失したことを明かし、賠償すると申し出たという。

ところが、配送を依頼した際の契約から、同社は1000元（約2万円）までしか賠償できないと主張。夏さんはこれに同意しなかった。その後、控えていた情報からなくなったiPhoneがアクティベーションされたことが分かり、夏さんは同社の関係者がiPhoneを盗んだのではないかと疑っている。

一方、同社は「補償はお客様がご自身で選択するもので、有料のため弊社が強要するものではありません。配送を承った時の契約では賠償額の上限は1000元です」としたほか、紛失の経緯については「まだ確認できていません」とした。

中国版ツイッター・微博（ウェイボー）では「順豊が1万1000元のスマホを紛失も1000元しか賠償せず」がトレンド入り。ネットユーザーからは「順豊の過失なら全額賠償すべき」「内部の従業員が盗んだのだろう」といった声や、「1000元を超えるものがなくなっても1000元賠償すればいいだけ。もうかる商売だな」「そのまま盗めばいいものを、1000元よこしてくれるんだから善良じゃないか」といった皮肉めいたコメントが寄せられた。一方で、少数ながら夏さんの姿勢を批判する声も上がっている。（翻訳・編集/北田）