中国で「仮想発電所」の人気に火が着く―中国メディア

Record China    2022年9月6日(火) 9時0分

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4日、観察者網は、中国国内で仮想発電所(VPP)の人気に「火が着いた」と報じた。

2022年9月4日、中国メディアの観察者網は、中国国内で仮想発電所(VPP)の人気に「火が着いた」と報じた。

記事は、高温の天気により多くの水力発電所の水が枯渇する中、VPPという概念が再び注目を集めていると紹介。中国各地ではVPPの建設や投資が続々と進んでおり、関連の株式が大きく値上がりしているほか、多くの企業がVPPの電力供給に参加し始めており、多いところでは1カ月で10万元も稼いでいるとした。

その上でVPPについて、それ自体が発電をするのではなく「いわば、一連のエネルギー管理システムであり、発電から送電に至るまでの全セクションにおいて、管理員的な役割を担う」と説明。VPPは5Gなどの情報技術やスマート計量技術を用いて、火力発電システムや新エネルギー発電システムを含むさまざまな発電、蓄電リソースを統合し、市場の電力ニーズに基づき柔軟にリソースを割り振る役割を果たし、ピーク時やオフピーク時の電力配分を調整することで「峰を削り谷を埋め」てロスの少ない安定した電力供給を行うことができると解説した。

そして、試算によれば、この「峰を削り谷を埋める」システムを従来の火力発電所で構築しようとすれば4000億元(約8兆円)もの投資が必要になるのに対し、VPPでは500〜600億元(約1兆〜1兆2000億円)で済むと伝えている。

記事は、VPPはドイツで2009年に運用が開始されるなど欧米で開発が進んでいるのに対し、中国では17年に上海市で商業建築向けVPPプロジェクトが完成したのを皮切りに、江蘇省や河北省でシステムが導入され、広東省深セン市では25年までに100万kWクラスのVPPを完成させる計画だと紹介。また今年2月に開かれた北京冬季五輪をはじめ、各地でVPPのテスト運用プロジェクトが実行されていると伝えた。

一方で、VPPには避けて通れない課題も存在すると指摘。特に情報セキュリティは死活問題であり、ソフトウェアによるデータ収集と通信に大きく依存する性質上、サイバー攻撃を受ければ壊滅的な打撃につながるリスクがあり、顧客の信頼度にも影響することから、VPPが今後爆発的に発展するかとうかは、情報セキュリティ問題の解決が大きなカギとなるとの見方を示している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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