ドラマ撮影現場の盗撮が横行―中国メディア

anomado    2022年9月1日(木) 19時30分

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極目新聞は8月30日、ドラマの撮影現場で起きた盗撮をめぐるトラブルについて、「トラブルの背後には写真1セットが1000元で売りに出されるなどの実態がある」とする記事を掲載した。写真は「蓮花楼」。

中国メディアの極目新聞は8月30日、ドラマの撮影現場で起きた「代拍」(撮影現場で盗撮して収益を得る行為)をめぐるトラブルについて、「トラブルの背後には写真1セットが1000元(約2万円)で売りに出されるなどの実態がある」とする記事を掲載した。以下はその概要。

8月28日、ドラマ「蓮花楼」の撮影チームのスタッフが1人の男性に暴行を加えたとの情報がネットで広まった。制作側はその後謝罪声明を出し、撮影現場の秩序維持に当たっていたスタッフが代拍者である男性とトラブルになったことや、このスタッフを解雇したことを説明。声明によると、過去に何度も代拍者やダフ屋による情報流出が起きていたため撮影チームには現場を管理し、秩序を確保する必要があった。解雇されたスタッフは男性に盗撮をやめるよう繰り返し注意したが、これに応じない男性との口論がエスカレートしたという。

SNS上では「代拍サービス」を提供するアカウントが数多く見られ、あるファンは自分の「推し」を撮影するための代拍者を探していた。

記者が数人の代拍者と連絡を取ったところ、ある人は「人気ドラマで主演を務める芸能人のイベント参加現場が撮れる」と話し、写真50枚で1000元を提示。また、ある人は「バラエティー番組に出演する芸能人の『出勤』写真を11枚200元(約4000円)で売る」とした。

芸能人のマネージャーのある女性は記者に、「代拍者は芸能人の仕事内容を事前に漏らしたり、仕事現場の秩序に影響を及ぼしたりする」と語った。代拍者が芸能人に付いて行き、その仕事や生活を撮影することはしょっちゅうで、ばれるとファンと偽るため見分けたり阻止したりすることは難しい。

今年、代拍拒否の声を上げた撮影チームは少なくなく、ドラマ「無憂渡」は7月8日、「最近、関係者ではない人物が主演男優の休憩スペースに侵入し、ネットで情報を漏らした。撮影秩序を深刻に乱しただけでなく、出演者のプライバシーを侵害した」としてこの人物に対処したことを発表した。

代拍について、中国人民大学の張新宝(ジャン・シンバオ)教授は「代拍が原因で公共の場所の正常な秩序に影響が生じた場合、状況が軽微なら治安方面の違法行為に属する。だが、財産が損なわれたり、より深刻な結果がもたらされたりした場合、民事賠償責任や刑事責任を負うことになるだろう」と指摘した。張教授はまた、「芸能人に対する代拍はプライバシー侵害に、芸能人の写真を売って利益を得ることは肖像権の侵害になる可能性がある」と説明した。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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