中国で値崩れするシャインマスカット、農家にとってはまだまだ「もうかる果物」―中国メディア

Record China    2022年9月1日(木) 8時0分

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中国メディアの中国新聞網は30日、四川省涼山イ族自治州の西昌市で栽培されているシャインマスカットが電子商取引(EC)サイトを通じて全国に販売されていると報じた。

中国メディアの中国新聞網は30日、四川省涼山イ族自治州の西昌市で栽培されているシャインマスカットが電子商取引(EC)サイトを通じて全国に販売されていると報じた。

記事によると、同市では四川省で最も多くのシャインマスカットが栽培されている。自然環境に恵まれ、十分な日光が降り注ぎ、昼夜の温度差が大きいため、糖度の高いブドウが育つという。その品質の良さから、北京や上海広州深センなど沿岸の都市部で広く販売されている。

同市で農家を営む劉(リウ)さんは「うちには1.7ヘクタールのシャインマスカット用の畑があるが、今年はさらに増やした」と語る。過去3年のシャインマスカットの人気と高い利益があったからだ。記事は「日本から輸入されたブドウ品種の価格はここ2年ほどで少しずつ庶民的になってきているが、農家にとっては依然として十分に利益のある果物だ」とした。

中国で多くの人がシャインマスカットを知るきっかけとなったのが日本の岡山県で生産される「晴王」が話題になったことだという。劉さんは3年前、それまでのリンゴをシャインマスカットに植え替え、温室やオートメーションの灌漑設備などを導入。初年度の収穫量は多くなかったが高値で売れた。リンゴの栽培と比べて収入は数倍に増えたという。

同じく西昌市でシャインマスカットを栽培する34歳の沈(シェン)さんは、3年前は専業主婦だった。親戚の勧めもあり、自身の土地でシャインマスカットの栽培を始めた。沈さんが栽培するシャインマスカットは管理が行き届き、品質が高いため、高値が付くという。沈さんの今年の売上は約30万元(約600万円)で、人件費や肥料などのコストを差し引いても、都市部に出稼ぎに行くよりも割が良いという。

中国では全国的にもシャインマスカットの作付面積が急増している。中国科学院果樹研究所によると、2016年には1万ヘクタールにも満たなかったが、20年には約5万3000ヘクタールになった。

劉さんが今年栽培したシャインマスカットの半数、そして沈さんが栽培した全部は、ECサイトを運営する梁(リアン)さんが買い付けた。梁さんのショップはピーク時で1日1万個のシャインマスカットが売れたこともあり、ECプラットフォーム・拼多多のブドウ販売ランキング1位になったこともある。沈さんらのシャインマスカットはコールドチェーンを通じて48時間以内に各地の消費者の元に届けられる。

記事は「かつて高額だったシャインマスカットが、ECプラットフォームでの販売を通じて手ごろな価格になってきている」と伝えた。シャインマスカットの栽培エリアは中国各地に及び、ほぼ年間を通じて途切れることなく供給されるようになっている。梁さんはシャインマスカット以外にも良質な果物を求めて全国を飛び回り、ネットショップを通じて販売している。記事は、こうした「産地直送モデル」が物流の短縮につながるだけでなく、産地と食卓の需要を直接結びつけ、一般消費者により手ごろな価格で高品質の農作物を手に入れる機会を与えていると伝えた。(翻訳・編集/北田


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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