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中国の車載電池市場で寧徳時代とBYDは完勝、第2ラウンドはどうなる?

高野悠介    2022年8月26日(金) 9時0分

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2021年、世界のEV車販売は649万5300台、前年比108%増と2倍以上に拡大した。そのうち中国大陸は320万台で、世界の半分に当たる。写真はテスラ車。

2021年、世界のEV車販売は649万5300台、前年比108%増と2倍以上に拡大した。そのうち中国大陸は320万台で、世界の半分に当たる。これを支えたサプライヤーも巨大化した。その典型がEV車コストの80%を占めるといわれるリチウムイオン電池メーカーだ。

■車載電池…2022年上半期、76.8%増

韓国の市場調査機構SNE Researchによれば、2022年上半期、世界EV車向け車載電池販売量は203.4GWh、前年同期比76.8%増だった。トップ10のうち中国企業が6社を占め、全体のシェアは56%に及ぶ。上位を見てみよう。

(GWhギガワット/前年比/シェア)

1.寧徳時代(CTAL) 70.9GWh/115.5%増/34.8%

2.LG新能源 29.2 GWh /7.0%増/14.4%

3.比亜迪BYD) 24.0 GWh/203.8%増/11.4%

4.パナソニック 19.5 GWh/12.7%増/9.6%

5.Sk On 13.2 GWh/112.9%増/6.5%

寧波時代がシェアを3分の1以上に伸ばしたのに対し、LGとパナソニックは流れに乗れず、業界平均を大きく下回った。以下、寧徳時代、比亜迪、パナソニックについて見ていこう。

■寧徳時代…世界一の車載電池メーカー

寧徳時代の2021年度決算は、売り上げが前年比260%増の1303億5600万元、純利益が同290%増の159億3000万元だった。リチウムイオン電池販売量は同280%増の133.41ギガワットだ。

寧徳時代の創業者、曾毓群氏は1968年、福建省・寧徳市生まれ。飛び級で上海交通大学船舶工程へ入学、華南理工大学で修士、中科院で博士を取得した秀才だ。1999年、曾氏を中心に新エネルギー企業が設立された。その後、二次創業という形で2011年に寧徳時代を設立した。国際競争力を備えた電池メーカーとして急成長し、2017年に出荷量世界一となる。

2018年、深セン創業板市場へ上場。同年7月、ドイツのテューリンゲン州とリチウムイオン電池工場と研究開発センターの建設で合意。BMWの中国合弁・華晨宝馬と戦略提携。2019年7月、トヨタと戦略提携。2020年2月、テスラおよびテスラ上海への供給で合意。2021年7月、テンセントクラウドと提携、AI分野で協力する。同月、ナトリウムイオン電池を発売。12月、長安汽車、ファーウェイと共同で立ち上げた高級ブランド「阿維塔」がデビュー。

2022年、宇徳時代は一段と活発化する。1月、厦門にバッテリー交換ステーション「EVOGO」を立ち上げ。5月、ベンツへ供給。7月、フォードへの大型供給を発表。新製品のデビュー、工場拡張も相次いでいる。

■比亜迪…電池から車両へ

比亜迪は1995年に深セン市で設立。創業者の王傳福氏は1966年、安徽省生まれ。中南大学卒、北京有色金属研究院で修士。創業後、1997年にリチウムイオン電池、2002年に半導体に進出。自動車、軌道交通、新エネルギー、電子の4部門の産業横串を目指した。新エネルギー部門は急成長し、2003年に世界2位の電池生産企業となる。同年、EV車部門をスタート。2008年には世界初の量産プラグインハイブリッド車を発売、以来次々にEVモデルを投入、2015~2017年にはEV車売り上げ3年連続世界一を達成した。2012年、「都市交通電動化ソリューション」を発表、公共交通、商用車にも力を入れた。中でも電気バスに強く、米国電気バス市場の80%を占めている。日本でも昨年、京阪バスが4台購入している。

2022年6月、株式時価総額でフォルクスワーゲンを抜き、テスラ、トヨタに次ぐ自動車メーカー世界3位となった。そして7月、日本の乗用車市場への参入を発表した。

■パナソニック…シェア縮小

パナソニックは、2010年からテスラへ電池供給を行っている。2014年には2000億円を投資し、テスラと合弁のリチウムイオン電池工場、ギガファクトリー(ネバダ州)を着工した。しかし歩留まりが悪く、立ち上げに苦労した。これがトラウマになったともいわれる。しかし2023年には、800億円を投資して和歌山工場を稼働、その先に新米国工場を見据えている。

トヨタとは、2020年4月、パナソニック49%、トヨタ51%出資の「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」を立ち上げた。ただしハイブリッド車用角型電池で、2022年にパナソニック徳島工場で生産を開始する。その一方、トヨタは2021年12月、ノースカロライナ州にリチウムイオン電池工場を建設すると発表した。米国での電池事業に3800億円を投じ、EV車向け車載電池の自社開発を目指す。

寧徳時代は中国の「造車新勢力」やテスラ以外の欧米勢など多様な顧客を開拓した。パナソニックはテスラ依存度が高く、その動向に振り回された。

■競争は第2ラウンドへ

中国は2015年発表の「中国製造2025」計画において、乗用車の重要部品、EV重要部品の80%国産化を掲げた。以来、EV業界に対する産業補助金が増加し続けている。電池メーカーには2015~2016年、認定57社に多額の補助を行った。また、購入補助金も出しているが、2020年以降は縮小し、2022年で最後になる。その他、地方政府もさまざまな優遇策を打ち出している。つまり中国車載電池市場は国内企業に有利で、とても公正とは言い難い。シェア縮小は、パナソニックの責任というより、日本全体で考える問題だ。とにかく車載電池の第1ラウンドは、中国勢のほぼ完勝だ。ただしコストと航続距離、充電時間などの課題は残ったままで、まだ技術的ブレークスルーの余地は大きい。

まず、レアメタルのリチウムに依存しなくてよいナトリウム電池だ。寧波時代が先行し、2023年の実用化を目指している。もう一つはリチウムの全固体電池で、トヨタ、村田製作所、日立造船など日本勢が注力している。丈夫な容器が必要なく、設計自由度が大幅に増す。さらにベンチャー企業による別次元イノベーションの可能性も十分ある。

これから新技術による第2ラウンドが始まる。巻き返しのチャンスは誰にでもありそうだ。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大学教育学部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中国貿易の経験は四半世紀以上。現在は中国人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中国最新のB2Cビジネスと中国人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王国上海」東京図書出版会、2004年「新・繊維王国青島」東京図書出版会、2007年「中国の人々の中で」新風舎、2014年「中国の一族の中で」Amazon Kindle。

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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