中国IPO市場、世界で一人気を吐く、年初から過去最大の580億ドル規模―海外メディア

Record China    2022年8月13日(土) 6時0分

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大型の新規株式公開(IPO)で中国本土市場が世界で一人気を吐いている。本土市場でのIPOは年初から計578億ドル(約7兆8000億円)規模に達した。

大型の新規株式公開(IPO)案件が今年、英国ロンドンや香港など世界の主要な金融センターではほぼ干上がる中、中国本土市場が一人気を吐いている、と米ブルームバーグ通信が伝えた。本土市場でのIPOは年初から計578億ドル(約7兆8000億円)規模に達し、8月初めまでの期間としては過去最大となった。

ブルームバーグ通信のまとめによると、本土市場での10億ドル超えのIPOは5件で、さらに1件控えている。同規模の案件は米ニューヨークと香港ではそれぞれわずか1件ずつで、ロンドンはゼロだ。世界のIPO規模全体に占める中国の割合は今年44%と、2021年末時点の13%から3 倍強に膨らんでいる。

金利上昇と米国のリセッション(景気後退)入り懸念で、他の市場は株式発行による大口の資金調達が事実上停止状態にある一方、中国のIPO市場はそうした向かい風を物ともしていない。金融政策は米国とは異なっており、中国のIPOはおおむね地元投資家をターゲットにしている。

一部の市場関係者らはまた、IPOの増加は政府の厳格な新型コロナウイルス感染症対策で景気が今後年内に悪化しかねないとの懸念を反映した動きとも指摘する。今年の5.5%前後の成長目標について中国指導部からはトーンダウンの動きもあり、景気回復に向けた楽観論は損なわれつつある。香頌資本の沈萌ディレクターは「企業がIPOに一段と熱心なのは、上期上場はそれ以降よりも良いタイミングだとみたからだ」と語った。

上場後の株価推移が好調なことも、IPO予備軍を引き付けている。本土市場でIPOを実施した銘柄は今年、IPO価格を平均43%上回って取引されている。香港市場では13%下落と対象的だ。ただ、新規上場銘柄が良好なパフォーマンスを演じる理由は、一つにはIPOの評価が国内ルールによって制限されているという事実もある。

さらに本土市場のIPOを押し上げた一部銘柄に関しては政治的な背景もある。米国の「エンティティーリスト」(安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業などのリスト)に掲載されたチャイナモバイル(中国移動)と中国海洋石油(CNOOC)は今年、本国で新規上場を果たした。規模はそれぞれ86億ドル、50億ドルで、IPO価格をかなり上回って取引されている。

業種別ではテクノロジー部門が中国でのIPOが活況な業界の一つだ。コンピューター部品製造の海光信息の108億元(約2160億円)規模のIPOへの応募も極めて旺盛で、申し込み開始はちょうどペロシ米下院議長の台湾訪問で世界の金融市場が揺れた8月3日だった。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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