米国など西側諸国はなぜ中国と共存せねばならないのか―英国人研究者が持論を展開

中国新聞社    2022年8月2日(火) 16時30分

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経済の急成長を原動力に中国が台頭したことで、米中は対立の度合いを強めた。しかし世界の2大大国がむやみに争って世界の人々に「よいこと」がもたらされるとは考えにくい。写真は上海外高橋港総合保税区。

米国と中国は対立の度合いを強めている。しかし冷静になってみれば、世界の2大大国がむやみに争って世界の人々に「よいこと」がもたらされるとは考えにくい。中国研究を専門として、キングズ・カレッジ・ロンドンのラウ中国研究所の所長でもあるケリー・ブラウン教授はこのほど、中国メディアの中国新聞社の取材に応じて、中国をめぐる国際情勢や、主に西側諸国の人々の立場としてどのような姿勢を取るべきかについての持論を披露した。以下はブラウン教授の言葉に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。

■ほかに方法がないからこそ努力せねばならない

欧州と北米は過去150年近くにわたって世界をリードしてきた。しかし人々は今、経済成長のエンジンがアジアへと徐々にシフトしていく過程を目撃している。アジア太平洋地域は製造、市場、金融、供給等の面で世界経済の枢軸となった。米国と欧州は依然として重要だが、アジア太平洋地域はすでに、世界経済の第3の中心地だ。世界の中心は西から東へと移りつつある。

私はこの移行に慣れるべきだと思う。欧米でこのシフトを受け入れられない人が存在することには、心理的な問題があるようだ。しかしアジア太平洋地域が勃興するのはグローバリゼーションの一環だ。もちろんグローバリゼーションは決して単純なプロセスではなく、調和がとれたものでもない。多くの問題を抱えている。しかし、アジアはすでに米国や欧州と同様にグローバル化している。このグローバル化したアジアを受け入れねばならない。

米中の関係構築は過去50年間、大きな成果を収めてきた。しかし最近では、この両大国は国交を樹立して以来の、最も厳しい試練に直面している。はっきりしているのは、米中両国間の関係が単純ではないことだ。一時期の米中両国の関係は現状よりも良好だったかもしれないが、それは当時の中国が米国よりもかなり弱小だったからだ。米国は中国を制御できると信じていた。現在の米国は、中国が台頭したことで不安を感じている。

米国と中国が関係を全て断つという方法はどうだろう。いわゆるデカップリングだ。しかし現実的には不可能だ。それでは、双方が対立や衝突を繰り返し、優位に立った方が相手を「牛耳る」というのはどうだろう。このような状態はあまりにも不安定で、長く続けることはできない。すなわち米中は協力できる点を探すしかない。ほかに方法はないからだ。ほかに方法がないということは、協力関係の構築のために、双方が努力せねばならないということだ。

■異質の相手を認めることに伴うことは「自己犠牲」だけではない

中国語には「求同存異」という言葉がある。共通点を求めて相違点は留保するということだ。「小異を残して大同を求める」と言ってもよい。米中関係に、これ以外の選択肢はない。米中以外でも、そのような状況は多い。世界の人々は最近になり、感染症の大流行や気候変動を目のあたりして、相互協力の必要性に気付いた。

相互協力に伴うのは自己犠牲だけではない。相互協力によって「よい状況」がもたらされれば、それは自らにとっての利益だ。だから、自らの利益を中心に考えていてもよいわけだ。自らの利益を追求することが、協力の推進力になればよい。

歴史については、さまざまな紛争のことを思い浮かべるものだ。紛争は劇的な形で大きな影響を残す。しかし歴史を詳細に調べれば、国際協力の事例の方が国際紛争より明らかに多いことが分かる。紛争により悲惨な状況がもたらされれば、人々の記憶に強く残る。国際協力によって「「よい状況」がもたらされて、多くのことが円滑に進めば、強烈な記憶としては残らないものだ。

中国と米国や欧州との政治方面の対話は、往々にして非常に難しい。しかし、世界の気候変動問題に関する対話は、非常に現実的で実効を伴い、集中力に満ち、建設的であり続けてきた。今後は、文化の違いや価値観についての議論ばかりに力を入れるのではなく、より実務的で実効性のある問題に注意を向ける必要があると思う。実務的で実効性のある成果を上げてこそ、より難しい問題を語り合うことができるのかもしれない。

■中国側にも至らぬ点はあった、しかしより大切なのは西側の人々の考え方

西側諸国の間には、中国に対する誤解がある。中国にとって、この誤解は避けられなかったと思う。西側諸国は、あまりにも急速な中国の台頭を目にした。中国について評価せざるをえないことも急増した。想定外だったとも言える。そのことが、さまざまな困惑をもたらした。中国の側には、世界に向けて自分の考えや立場を理解してもらうための情報発信のやり方を十分に分かっていなかった部分があるかもしれない。すなわち、中国側も慣れていなかったということだ。

中国は西洋から科学技術などを多く学んだ。しかし西洋が中国から教えてもらったことは極めて多い。陶磁器も中国から学んだものだ。庭園芸術も中国から多くを学んだ。西洋が中国から学んだ国内統治方法もあるほどだ。古い歴史の話だけではない。現在でも、西洋が中国から学べることは多いはずだ。「中国は西洋から教わるべき存在」――。こんな考え方や言い方は、もう終わりにせねばならない。

最も重要なことは、「意思疎通をしよう」という気持ちを持つことだ。西側も中国からさまざまなことを学び参考にすることで、双方はより緊密な協力関係を築くことができる。私は中国について、西側から一方的に教えてもらう学生と言う立場はとっくに「卒業」したと考えている。(構成 / 如月隼人

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