ファーウェイ・ジャパンが新製品を発表、「個別製品の評価だけでは不足」時代に突入

Record China    2022年8月1日(月) 9時0分

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ファーウェイ・ジャパンは7月26日、東京都内で日本市場向け新商品の発表会を行った。新技術による個別製品の評価だけで全体像を掌握するのが、ますます困難になったことも印象づけられた。

華為技術(ファーウェイ)の日本法人であるファーウェイ・ジャパンは7月26日、東京都内で日本市場向け新商品の発表会を行った。発表されたのはいずれもエンドユーザー向け製品で、技術力の向上が強く印象づけられる製品ぞろいだった。ただし、翌27日になり、同時点ではまだ紹介されなかった「使い勝手の向上」があることが分かった。

■巨額の研究開発費投じた成果を製品に生かす

製品発表に先立ち、ファーウェイ デバイス日本・韓国リージョンプレジデントの楊濤氏は同社の状況について、ブランド価値は前年比28.6%増の712億ドルに達し、ランキングでは第9位とトップテン入りしたと紹介。引用したのはブランド評価および戦略コンサルタントを手掛けるブランドファイナンス(本社・英国ロンドン)によるまとめだ。

また、EUにある研究機関の調べでは同社が2021年に投じた研究開発費は175億ユーロ(約2兆4000億円)で、グーグルを運営する米アルファベットの225億ユーロ(約3兆円)に次ぐ世界第2位だったという。

ファーウェイ デバイス日本・韓国リージョンプレジデントの楊濤氏

新商品としてはまず、同社が「スポーツ&ヘルスケア」関連製品に位置づけるスマートウオッチのHUAWEI WATCH GT 3Proが発表された。チタン外殻で厚さ46ミリのモデルとセラミック外殻で厚さ43ミリのモデルがある。水深30メートルに対応しており、ダイビング時に身体が発するさまざまなデータを取得できる。またロングバッテリーの採用で、チタンモデルならば連続14日間、セラミックモデルは7日間の連続使用が可能だ。

■中国では健康関連のビッグデータ使った「疾病予知」の取り組み

日本などでは行政による了承の有無などの問題があって実現していないが、ファーウェイは中国では自社製のスマートウオッチを使って利用者の健康関連データを収集してビッグデータ化して、体の異変を事前に警告する「予防医学のための有効利用」を推進している。ファーウェイ製ブランドファイナンスの利用者数は累計5億5000万人に達しており、データの活用については80カ所以上の病院や研究機関と協力して研究を進めている。

利用できる身体関係のデータも、例えば16年には安静時の心拍モニタリングしかできなかったが、現在では24時間連続のモニタリングが可能だ。さらに、心拍数の変化が激しいため短時間での心拍数を計測が難しかったインターバル走を行う際の利用でも、AIによるディープラーニングで大量のデータを学習させることで、正確に心拍信号を抽出することが可能になった。

その他、血糖値データや肺機能を測定して利用する研究も進めており、将来はより多方面のデータを採取して利用できるようにする考えだ。情報量は今後も増えていくことが確実だが、情報処理には、ファーウェイが獲得した高能率のアルゴリズム構成などが有効に活用される。

Huawei Watch GT 3Pro

■個人情報の扱いでは細心の注意、国際基準にも合致

なお、深センからオンライン方式でスポーツ&ヘルスケア部門について説明した同部門の張煒CEOは、ユーザーに提供してもらう健康情報は極めて慎重に、かつ誰もが納得できる方法で扱っていると強調した。

たとえば、ファーウェイ側がデータを取得できるのは、各ユーザーが許可した場合のみだ。また、データの使用権限範囲も明確に示している。ユーザーが望むならばデータの提供を打ち切ることもできる。セキュリティーについては、通信や保存の際には暗号化している。そのことなどにより、安全性についてはGAPPなどの国際基準も満たしているという。

なお、HUAWEI WATCHシリーズは、「スポーツを行う人」に十分に対応することを念頭に置いている。有効活用できるスポーツの種類も、陸上、水泳、ダイビング、さらには高地対応が可能になったことで高山のトレッキングなどでの高山病対策にも使えるようになった。念頭に置いているのは、個人やその時の状況によって異なる最適のトレーニング強度を科学的に算出し、けがのリスクを低減することだ。会場にいたファーウェイのスタッフによると、ファーウェイのスマートウオッチを利用する中国の一流アスリートも増えつつある。

なお、ファーウェイはスマートウオッチの研究開発を自国内だけでなく、英国や日本、イスラエルでも進めている。英国では基礎研究、日本では運動健康基準やセンサー、素材関連、デザイン、イスラエルではセンサーや基礎測定技術など、それぞれの国の得意分野を生かした分担をしているという。スマートウオッチ以外でも、世界各地の研究所の「ベストマッチ」により、効率的に成果を出す方式を採用している。

■イヤホンでは装着感や音質、使いやすさに大きな進展

同日発表されたHW FreeBuds Pro 2も、多くの研究成果や技術が盛り込まれた製品だった。ファーウェイはイヤホンの開発に当たって、大量の三次元耳型モデルを作成して装着感の確認をしている。まず大量の3D仮想モデルを構築して、1日当たり1万回に相当するパラメータ分析を行う。さらに、実際に人を使っての装着安定試験を1製品当たり400時間繰り返すなどして、ミクロン単位の寸法最適化を図っている。

HW FreeBuds Pro 2

音質面については、まず重低音用の4マグネットダイナミックドライバーで14Hzの低音を再生できるようになった。人にとって14Hzはもはや、「普通の音」には聞こえない音域だが、振動を察知することで音楽の迫力感が増す。通常のスピーカーでも、専門性が高い特殊なスピーカーを除けば、この音域を再現できるものはないという。

低音の迫力で知られる楽曲の一つに、ストラビンスキー作「火の鳥」組曲がある。不死身の魔王が登場する1曲では、冒頭で低周波成分を豊富に含む大太鼓が強打される。クラシック音楽ファンは「あの迫力は生演奏でないと…」などと言い合ってきたものだ。会場でHuawei FreeBuds Pro 2を視聴させてもらったところ、曲目リストにこの曲があったので試してみた。イヤホンである関係上、全身の体表面で低音振動を感じることはできないが、耳に飛び込んで来た音は驚いたことに、コンサート会場で聞ける音とほぼ同じに感じられた。

同製品は、中高音用に新開発のマイクロ平面振動版ドライバーを世界で初めて採用したことも特徴だ。イヤホン内蔵機器は、イヤホンの形状により大きな制約を受ける。このマイクロ平面振動版ドライバーの開発でも、形状に合わせた設計にすることが極めて重要だった。しかし同時に、クリアで歪みの少ない音を実現した。例えばドライバーは、音信号を瞬間的に止めても物理的慣性のために振動が完全に停止するまでわずかではあるが時間がかかる。HW FreeBuds Proが採用した平面振動版ドライバーは、従来型のドライバーと比べて完全停止までの時間を格段に短くできた。このような技術の積み重ねが、よりクリアな音をもたらすことに結びついたと言ってよい。

■「難聴予防に効果あり」とされるノイズキャンセリングもさらに進化

もう一つ重要なことは、音楽聴取時だけでなく、通話時にも大きく関係するノイズキャンセリング/リダクションシステムだ。FreeBuds Pro 2では、マイク3台と骨振動センサーを搭載しただけでなく、通話時に気になる風ノイズはイヤホン全体の形状を空気力学的に洗練されたものにすることで低減し、さらにはノイズ低減アルゴリズムを投入することで、従来型の製品よりもより効果的にノイズを低減することに成功したという。

音楽聴取時などのノイズキャンセリングでは、センサー用マイクを3台も搭載させたことが効果を発揮する。また、外界の騒音レベルを3段階に分類して認識することで、人の耳の特性にもより合致したノイズキャンセリングを実現した。FreeBuds Pro 2の場合、音楽などのボリュームを抑え気味にして聞いていても、例えば背後から誰かに声をかけられた場合に、気づかない場合があるほどだ。

若者を中心に、電車内などでヘッドフォンやイヤフォンを使って音楽を聴く人が増えたことで、「娯楽性難聴」という症状に悩む人が増加した。騒音がある中で音楽を鮮明に聴こうとして、音量を大きくしてしまうからだ。ノイズキャンセリングは「娯楽性難聴」の予防に有用との研究結果もある。FreeBuds Pro 2がノイズキャンセリング機能をさらに向上させたことは、利用者の「耳の健康」を守りやすくしたと言える。

なお、FreeBuds Pro 2では、音響関連の性能を引き上げるだけでなく、高品質な通信の確立にも力が注がれた。例えば990kbpsという転送速度を実現するBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応したことも重要な特徴の一つだ。

東京都内で日本市場向け新商品の発表会

■「個別製品の評価」から「総合的な実力評価」の時代に

ファーウェイ・ジャパンは26日には、基本的に日本市場向けに新製品を発表したが、ファーウェイ本社は27日、中国内外市場向けに自社開発のOSの新バージョンであるハーモニーOS3のリリースをオンライン方式で発表した。その時点でHUAWEI WATCH GT 3ProやFreeBuds Pro 2を含む多くの製品がハーモニーOS3に対応していることを正式に明らかにした。

ハーモニーOSは19年発表の最初のバージョンからIoT(モノのインターネット)での利用を強く意識して開発されてきたが、ハーモニーOS3ではIoTへの対応性をさらに強化したという。

HUAWEI WATCH GT 3ProやFreeBuds Pro 2を含めファーウェイの新製品は、個別の機器としての性能向上が注目されたが、評価に際してはすでに、IoTの技術を利用して他の機器やOSなどを使った場合の利便性向上も考え合わせる必要がある状況だ。(取材/構成 如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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