若者層の雇用危機が深刻化する中国、公務員や国有企業志向高まる―海外メディア

Record China    2022年7月30日(土) 9時0分

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中国で若者層の雇用危機が深刻化する中、公務員や国有企業への就職を目指す大卒者が増えていると海外メディアが伝えた。写真は中国専門学校の学生。

中国で若者層の雇用危機が深刻化する中、公務員や国有企業への就職を目指す大卒者が増えている、と米ブルームバーグ通信が伝えた。記事は「若者たちが政府に不満をぶつけるのではなく、国有企業などに就職しようとしていることに習近平国家主席は安堵(あんど)しているかもしれない」と皮肉った。

ブルームバーグ通信によると、16~24歳の都市部失業率は6月、過去最悪の19.3%と、米国の2倍余りの水準に上昇。政府の厳格な新型コロナウイルス対策で人々は職を失い、不動産・学習塾企業に対する規制強化が民間部門に打撃を与えた。労働市場は今夏、大学と専門学校を卒業した過去最多の約1200万人を迎えるが、これも雇用のミスマッチを強めることになる。

希望する職に就けない若者たちは民間企業に失望し、報酬の低い公的部門で働くこともいとわないようになっている。こうした傾向が続けば経済成長にはマイナスで、労働力の縮小は国内総生産(GDP)に対する下押し圧力となる。

人材サービスの51ジョブによると、大卒者の約39%が昨年、国有企業への就職を第1志望として挙げた。2017年は25%だった。公務員を第1志望とした割合は28%に上ったが、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に見舞われた労働市場では合理的な選択だ。

人材派遣などを扱う智聯が4月に実施した調査によると、大卒者が期待する初任給は昨年に比べ6%余り下がり月6295元(約12万7000円)となった。この間に国有企業などの魅力が高まったという。

中国のインターネット上で昨年広がった「躺平(寝そべり)」という言葉は、過酷な競争から離脱し、手の届く楽な生活で満足しようという若者たちのスローガンだ。経済成長が鈍る中で仕事と生活のバランスをもっと良くしたいという願いでもある。彼らは寝そべり族と呼ばれたが、失業状況の悪化が続く今、多くの若者たちは「擺燗」という「仕事なんて放っておけ」という意味のキャッチフレーズを用いるようになっている。

北京の中央財経大学を卒業したフーさんは動画投稿アプリ大手、快手科技などネット企業3社でインターンとして働いたが、考えを変えた。「ネット企業の従業員はいつでも解雇されるかもしれないと感じていて、誰もが自分の今後を心配している」と指摘。結局、職を得たのは国有通信会社チャイナテレコム(中国電信)傘下の研究所だ。「勤務時間は午前8時半から午後5時半で、仕事量はかなり軽いと思う。ネット企業は消耗し過ぎる」と話した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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