対ドルでユーロ急落、「米国が欧州で対抗と動乱引き起こすと欧州犠牲に」と中国メディア

Record China    2022年7月29日(金) 17時30分

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ユーロが対ドルで急落。中国メディアはウクライナ危機を念頭に「米国が欧州で対抗と動乱を引き起こすとユーロと欧州経済が往々にして犠牲になるという事実を再び証明した」と報じた。写真はユーロ。

ユーロが年初から現在まで対ドルで10%超下落している。急落について、中国メディアはロシアを阻止しようと米国主導で武器支援などを進めるウクライナ危機を念頭に「米国が欧州で対抗と動乱を引き起こすと、ユーロと欧州経済が往々にして犠牲になるという事実を再び証明した」と報じた。

ロイター通信などによると、7月13日の取引でユーロが売られ、日本時間午後9時45分に0.9998ドルとパリティ(1ドル=1ユーロ)を割り込み、2002年12月以来の安値を付けた。米東部時間朝方に発表された6月の米消費者物価指数が約40年ぶりの大幅な伸びを示したことを受け、ユーロ売りが加速した。その後、ユーロはやや持ち直したが、年初からの下落幅は10%を超えている。

1999年に誕生したユーロがパリティを下回るのは極めてまれ。直近では1999~2002年にパリティを下回っていた。これまでの最安値は00年10月に付けた0.82ドルだ。

今回の持続的なユーロ安について、中国網は「米国の金融政策の調整が欧州にもたらした悪影響を示している」と説明。同時に「米国が欧州で動乱を引き起こしたことで、ユーロが害を被るのはこれが初めてではない」として、コソボ戦争を取り上げた。

記事は「コソボ戦争はユーロの正式な発行から3カ月もたたない1999年に米国主導のNATO(北大西洋条約機構)が引き起こした」と回顧。ドイツ・ポツダム大学欧州国際経済関係研究所の元所長は「この戦争はユーゴスラビアに人道問題を引き起こし、誕生したばかりのユーロも下落が続いた。国際資本のユーロへの自信が揺らいだ」と述べた。

さらに「ユーロの誕生は欧州市場が脱ドルによりドルの覇権を脅かそうとしていると見なされた。米国主導のコソボ戦争がユーロを抑える効果は顕著だった」とも言及した。

もう一つの典型的なケースは欧州債務危機の裏側での米国の「異常な動き」だった。09年10月にギリシャ政府の債務問題が明るみに出て間もなく、米国の三大格付け機関のムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、フィッチ・レーティングスが動き出し、ギリシャの国債格付けを引き下げた。

米国では危機を誇張しユーロ衰退を唱える声が上がったが、当時の欧州委員会のバローゾ委員長は「一国の国債格付けという敏感な事項がわずか3機関に把握されており、かつこの3機関が同じ国にあるのは非合理的だ」と非難した。

中国網は「歴史は最良の鏡であり、現実は最良の教科書だ」と強調。「歴史と現実に目を向けると、ユーロ急落の裏にある米国の計算が見えてくる。世界の覇権を守るため、同盟国の利益さえも犠牲にするという、米国の真の姿が浮かび上がってくる」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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