南京の寺に日本人戦犯の位牌事件、いったいどの法律に抵触したのか?―独メディア

Record China    2022年7月27日(水) 9時0分

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25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、江蘇省南京市の寺で発生した「日本人戦犯位牌奉納事件」について、「いったいどの法律に抵触したのか」とする記事を掲載した。

2022年7月25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、江蘇省南京市の寺で発生した「日本人戦犯位牌奉納事件」について、「いったいどの法律に抵触したのか」とする記事を掲載した。

記事は、ネット上で先ごろ同市にある玄奘寺に「南京大虐殺を主導した旧日本軍の戦犯5人の位牌が奉納されている」との情報が流れて当局が捜査に乗り出し、容疑者の女が「尋釁(きん)滋事罪」ですでに刑事拘留されたと当局が24日に発表したことを紹介した。

その上で、中国の刑法293条の「尋釁滋事罪」は「随意に他人を殴打し情状が重大なもの、他人を追逐・妨害・侮辱・恐喝し情状が重大なもの、公的・私的財産を強要・故意に破壊・占有し情状が重大なもの、公共の場で騒ぎを起こし秩序を著しく乱したもの」に適用されると説明する一方で、その定義は非常にあいまいで、長きにわたり「法的な取り締まり対象を拡大するための口実」との指摘が出されてきたと伝えている。

そして、中国の刑事訴訟に長年携わってきた弁護士の莫少平(モー・シャオピン)氏が「当事者の仏教信仰が事実で、位牌奉納の行為が衆生の苦しみを救うという仏教の教義に照らしたものだとすれば『尋釁滋事罪』には抵触しない可能性がある。生前、善人であろうが悪人であろうが一切の衆生は苦しみの海から救われ、善に向かうという教えなのだから」との見方を示したことを紹介した。

また、「侵略戦争を美化する行為」についても莫氏が「現状、その指摘を当てはめることは難しい」と述べ、「仏教の行為を侵略戦争の美化と解釈するのは、あまりにも強引だと思う」としたことを伝えた。

記事は、「定義があいまいな『尋釁滋事罪』とあまりにも大ざっぱな『侵略戦争の美化』という規定以外に、中国にはドイツの刑法のようなナチスへの美化、大虐殺の否定を明確に犯罪とする規定はない」と紹介。このため、中国のネット上では司法当局に対して早急な法整備を進め、今回のように定義があいまいな罪状を無理やり当てはめるような事態が再発しないようにすること、ファシズムの宣伝行為を見つけ次第通報する行為を義務化することを求める声が出ていると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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