南京の寺で日本人戦犯の位牌奉納事件、1990年生まれの女の身柄拘束―中国メディア

Record China    2022年7月25日(月) 14時0分

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24日、澎湃新聞は、江蘇省南京市の寺に日本人の戦犯の位牌が祭られた問題について当事者の身元が判明し、すでに身柄が拘束されていることなどが明らかになったと報じた。

2022年7月24日、中国メディアの澎湃新聞は、江蘇省南京市の寺に日本人の戦犯の位牌が祭られた問題について当事者の身元が判明し、すでに身柄が拘束されていることなどが明らかになったと報じた。

記事は、南京市共産党委員会と南京市政府による調査グループが24日に発表した声明の内容を紹介している。声明の概要は以下の通りだ。

調査の結果、南京市玄武区にある玄奘寺に日本軍の戦犯の位牌を奉納した者は1990年生まれの女であることが判明した。女は2009年に北京の医学系大学に入学し、13年に南京市の病院に看護師として就職、19年に退職して五台山の某寺にて居士となった。

女は17年12月18日に玄奘寺を訪れ、松井石根、谷寿夫、野田毅、田中軍吉、向井敏明および華群(ミニー・ヴォートリン、南京事件前後に現地で活動していた米国人宣教師)の6人の位牌奉納を求めた。当直の僧侶(中学中退)は女に対し「奉納する6人は親族か友人か」と尋ね、女は「友人だ」とうそをついた。女は1人当たり年間100元の奉納料を5年分、計3000元支払い、位牌には「2018〜2022」と奉納期間が明記された。

18年末、玄奘寺では地蔵殿の修繕が始まり、位牌は一旦すべて撤去されたが、21年に修繕が完了すると位牌は元の位置に戻された。今年2月末、別の女性信者が地蔵殿で自ら奉納した位牌を探し、2人の僧侶と数人の観光客が協力して位牌探しを行っていたところ、戦犯の位牌が見つかり、観光客が位牌の写真を撮影した。僧侶は直ちに戦犯らの位牌を撤去し、住職は観光客らに対して口止めを行った上、当局に報告を行わなかった。そして7月21日、観光客が写真をSNSに公開して拡散し、社会の注目を集めるに至った。

女の供述によれば、南京にやってきた後、日本軍による暴虐行為を知ったことで心を病み、長い間悪夢にうなされるようになったという。やがて仏教に出会い5人の戦犯の位牌を奉納することで救済されると考えるようになった。また、南京大虐殺の中で善行を積んだミニー・ヴォートリンがその時のストレスにより帰国後に自殺したと知り、位牌の奉納により解脱を手助けしたいとも考えたとのことである。女は17年3月以降不眠、焦燥といった症状を覚えるようになり、3度病院で診察を受けるとともに、睡眠薬を服用していたことが調査によって明らかになっている。

女が自らの誤った認識と私利私欲の動機により、日本軍の戦犯であると知りながら5人の位牌を奉納したことは、仏教の勧善懲悪の教義に著しく反するのみならず、公共の秩序を著しく破壊し、民族的感情を大いに傷つけ、社会に悪影響を生んだ。公序良俗を乱して騒動を引き起こした容疑により女はすでに公安機関により刑事拘留を受けている。

また、南京市宗教事務管理当局は玄奘寺に対して調査を実施し、事実を隠蔽(いんぺい)した住職について寺の責任者の職務を解くとともに市仏教協会副会長の職務を罷免した。また、市宗教管理局の共産党委員会書記兼局長を訓戒処分、副局長を免職処分としたほか、南京市や玄武区の宗教管理局関係者に対して免職、警告の処分を下した。(翻訳・編集/川尻



※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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