“包皮カッター”ネット通販、腫らして病院に駆け込む人「不可逆的損傷」の恐れも―中国

Record China    2022年7月24日(日) 20時20分

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中国では「包皮カッター」がネット通販されている。専門医は「自分で手術をする」危険性を指摘した。炎症を起こして病院に駆け込む人もいる。最悪の場合、「不可逆的損傷」の恐れもあるという。

中国の医学情報メディアの「医学界」はこのほど、ネット通販されている「男性生殖器の包皮カッター」を使って自ら「手術」を行う問題を取り上げた。

温州医科大学付属第一病院泌尿器外科の武志剛医師によると、最近も「包皮カッター」を使用した後に腫れが発生して、治療を求めてやってきた男性がいた。男性は「包皮カッター」を利用して、消毒も麻酔もない状況で自ら「手術」した。その後、亀頭部分に炎症が繰り返し発生したが、病院に行くことがなかなかできなかったいう。武医師によると、同様の患者を年間に数人治療しているという。

医学界によると、多くの業者が「包皮カッター」をネット通販している。「皮を切っても痛みはなく、肉を切っても出血はなし」、「(治癒後は)太くなり時間が長くなる」と宣伝している業者もいる。販売価格は80-300元(約1600-6000円)の場合が多く、サイズも多くが用意されている。業者に問い合わせたところ、「難しくはない」として危険性は認識していない説明があったという。

業者は購入者に対して動画を利用して「手術方法」を伝授していると説明。「病院もわれわれが出したガイドラインに従って操作をしている。オンラインで3万人以上にサービスを提供した」と述べた業者もいたという。

ただし、業界関係者からも「ECプラットフォームに販売する製品が医療機器であることを明示しない。関連する経営資格がない。リスクの開示がない」などの問題があり、消費者は注意する必要があるとの声が聞こえてくるという。

武医師は「包皮の切除は、それほど難しい手術ではないが、専門的な医療技術が必要」と説明。素人が動画を数本見ただけで会得できるものではないという。武医師は、泌尿器外科医の資格を持っていても、包皮切除手術をするためには、専門的な研修を受けねばならないと説明した。

また、患者により包皮の構造が異なるために、平常時及び勃起時の状況に応じた手術をせねばならない。適切な施術をしないと勃起時に湾曲するなどの障害が発生する場合もある。包皮切除の手術は術後の外観にも十分に配慮しなければならない。そのため、同手術は「生殖整形手術」に分類されているという。

武医師によると、正規の病院で手術を受けるには2000元(約4万円)以上の費用がかかる。高額になるのは、術前検査や採血検査などを行うことが関係している。手術のリスクを低減するためだが、検査などの重要性を理解していない人もいる。武医師はネット通販の「包皮カッター」を使う人が後を絶たない原因を、出費を節約することを優先するからと考えている。

ただし、ネット通販されている「包皮カッター」の多くは医療用具の基準を満たしていない。一般人は消毒の方法についての知識もない。また、一部業者が強調する「太くなり時間が長くなる」は、医学的に全くのナンセンスという。

武医師は、自分自身や資格のない人による手術は絶対にしないでほしいと呼びかけた。細菌感染やその他の要因で、亀頭の脱落を含め「不可逆的な損傷」が発生する場合もあるという。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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