“数学界のノ―ベル賞”初受賞も韓国科学界からはため息=ネット「日本と米国のおかげ」

Record Korea    2022年7月10日(日) 13時40分

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7日、韓国メディア・アジア経済は「フィールズ賞を受賞したホ・ジュニ教授のここまでの歩みをひも解くと、韓国の科学界には改めるべき問題点が多いことがよく分かる」と伝えた。資料写真。

韓国・高等科学院(KIAS)数学部碩学教授で米プリンストン大教授でもある韓国系米国人のホ・ジュニ教授が5日、数学のノーベル賞と呼ばれる「フィールズ賞」を受賞した。7日、韓国メディア・アジア経済は、「ホ教授のここまでの歩みをひも解くと、韓国の科学界には改めるべき問題点が多いことがよく分かる」と伝えた。

ホ教授は中学3年生の時、科学高校への進学を希望したがかなわなかった。入試体系が「小学5年生から準備を始めなければ科学高には進めない」形になっているためだという。また、ホ教授は「問題を解くことが中心の学校の数学になじめなかった」とも話している。これについてはKIASのチェ・ジェギョン院長も「速く問題を解く能力ばかりをテストする今の体系を補完すべき時が来た」と指摘している。

また、ホ教授は高校を中退し「ホームスクーリング(学校に通学せず家庭で学習すること)」の道を選んでいるが、記事によると「ホ教授の両親が当時、体が弱かった息子について、高校で行われている夜間の自習時間への参加免除を求めたが拒否された」ことが契機であると説明。「ゆとりのない教育現場は、ホ教授を『落後者』にしかねなかった」と指摘している。

さらに、ホ教授はソウル大学物理天文学部に進んだが、ここでも専攻に適応できず休学している。ただ、大学時代に京都大学・米ハーバード大学名誉教授の広中平祐氏と出会った。このことで「本人の数学的才能を花開かせることができた」という。記事は古い体質をそのまま残す韓国の大学教育の実態を批判し、「学生の自由な専攻選択を尊重する外国の名門大学であれば、自分の適性にあった学問をもっと早くに選べただろう」と指摘している。

大学関係者らは「革新的な成果を出せる融合型人材を育成するには、一定の資格を持つ人材を入学させ、産業需要や適正に合わせて自由に専攻を選べるようにするなど、大学教育全体を変えるべきだ」と指摘する。ホ教授についても「優秀さを早期に発見し育成できていれば、4~8年前に受賞していただろう」と惜しむ声も聞かれたという。

ホ教授は「研究に没頭するのは1日4時間だけ」とインタビューで語っている。しかし、今の韓国の研究者は一日中学校で過ごし、多くの講義を行い、試験監督と採点、行政管理に苦しめられている現状があると、記事は指摘。「より安定的で長期的な研究環境を提供すべきだとの声が科学界から上がっている」「自由な研究、好奇心を満たす情熱、安定した生活が革新的アイデアと大発見を引き出す」としている。ある大学教授は「韓国の科学者の間で、大プロジェクトや研究費の獲得より、自分の好奇心を追求する研究文化が定着すれば、ノーベル賞の受賞者も輩出できるだろう」と話している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「高校中退、大学休学、みんな学校側に問題があったわけだ。そして、日本の学者に出会ったことで才能と向き合い、米国に行く決心につながった。韓国のせいで水の泡となりかけた数学の天才が、日本と米国のおかげで偉大な数学者に生まれ変わったんだ」「米国に行ったおかげで米国の支援を受け、ここまでの業績を残すに至った。もし韓国で進学していたら、被害を受けることのほうが多かったのでは。学問をしている人たちは、みんな外国で研究をしたほうがいいと思う」「結局、韓国教育界の最大の業績は、日本最高の数学者をソウル大学に招いた(ソウル大学で講義を行っており、ホ教授も受講したという)ことか」などのコメントが寄せられている。

また、「韓国の教育システムは、サラリーマンを生み出すだけのもの」「暗記王はソウル大に行き、天才は留学する」「ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、イーロン・マスクも韓国に生まれていたら、何者にもなれなかっただろうな」「韓国の数学教育は、塾に通って問題を解く機械にならなければ付いていけないひどいものだ」「決められたルールから外れると何もできなくさせてしまう。全てシステムが問題だ」など、韓国の教育を批判する声も殺到している。「この人は米国籍者だよ。いいことで有名になれば韓国人、悪いことで有名になれば米国人だと騒ぐよね」という意見も見られた。(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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