日独自動車メーカーが行き詰まる中、中国自動車メーカーの海外進出が加速―中国紙

Record China    2022年7月7日(木) 9時0分

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中国紙・環球時報は6日、「日独の自動車メーカーが行き詰まる中、中国自動車メーカーの海外進出が加速している」とする記事を掲載した。写真は中国新興EV「理想汽車」。

中国紙・環球時報は6日、「日独の自動車メーカーが行き詰まる中、中国自動車メーカーの海外進出が加速している」とする記事を掲載した。

記事はまず、テレビ局・ドイツ1の報道を引用して、同国の今年5月の輸出額が前年同期比11.7%増の1258億ユーロになる一方、輸入額が27.8%増の1267億ユーロとなったことを紹介。単月で輸入が輸出を上回るのは東西ドイツ統一後の1991年以降、初めてのことだと説明し、「輸出や製造業への依存がドイツ経済の弱点になっている」と指摘した。

また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「ドイツはロシアをはじめとするエネルギー供給国からの輸入コストが大幅に増加している。5月までの5カ月間で、ドイツのロシアからの輸入は前年比54.5%増加したが、輸出は29.8%減少した」と伝えたことに言及。オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、オリバー・ラカウ氏による「最近のデータは、ドイツが構造的に外需や原材料、エネルギー、中間財の外部供給にいかに依存しているかを示している」との見解を紹介した。

さらに、ifo経済研究所の調査報告から、6月にはドイツ企業の74.1%が中間財や原材料の調達に問題が生じているほか、約9割の企業が必要な資材を確保できていないと回答したことを挙げ、「自動車製造や機械工業などのドイツの基幹産業では、サプライチェーンに問題を抱えている企業の割合が特に高い」と指摘した。

そして、「ドイツ運輸省(KBA)が発表した5月の新車登録台数は前年比10.2%減少し、ブランド別では、フォルクスワーゲン(VW)が前年同期比14.3%減、BMWが12.8%減、アウディが12.3%減だった」としたほか、「VWが5月に世界で納入した自動車は前年比23.5%減の65.83万台で、中国、欧州、北米のいずれの市場でも販売台数は24%前後減少した」と指摘した。

記事は次に、「ドイツと経済構造が似ている日本の製造業もエネルギーとサプライチェーンの危機に見舞われ、自動車製造業がその衝撃をまともに受けている」と言及。日銀が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の業況判断指数(DI)が3月調査から5ポイント悪化したことに触れ、「原材料などの物価高騰や中国の一部都市でのロックダウンによる部品の供給不足が要因。DIは製造業全16業種中12業種で悪化し、自動車や生産用機械、電気機械は部品不足の影響が顕著だった」と伝えた。

また、6月末に発表された5月の鉱工業生産指数がおよそ2年ぶりとなる大幅な下げ幅を記録したことを挙げ、中でも自動車や電気機械工業のマイナスが大きかったと説明。「日本の自動車メーカーのデータもこれを裏付けており、6月末に発表された5月の主要8社による国内生産台数は39万6433台で、前年比16.0%減だった。トヨタが28.5%減、ダイハツが54.5%減、マツダも30.2%減だった」とした。

さらに、「今年1~6月に日本国内で販売された新車台数は208万台で前年比15%減。海外での販売台数も減少しており、今年5月の主要8社の世界販売台数は前年比16.2%減の175万台だった。日本車メーカーの世界販売台数が減少するのは昨年8月から10カ月連続だ」と指摘。日本国内のメディアからは「表面的にはエネルギー価格の上昇やチップ不足、コロナの影響などが指摘されているが、より深い部分では世界的にエネルギー転換が進み、新たに台頭してきた米中の電気自動車(EV)との競争が厳しくなってきた結果だ」との見方も出ていると伝えた。

中国はどうか。記事は中国税関総署が発表したデータから、今年1~5月の中国の自動車輸出が108万台で、うち5月は23万台だったと紹介。「今年上半期の輸出台数では中国はドイツを抜き、日本に迫る見込み」とした。また、中国汽車工業協会(CAAM)のデータから、「中国の2021年の自動車輸出は前年比でほぼ2倍の201万5000台で、日本(368万台)、ドイツ(238万台)に次ぐ世界3位だ。同年の新エネ車の輸出台数は前年比304%増の31万台となった」と伝えた。

中国乗用車市場信息聯席会(CPCA)の崔東樹(ツイ・ドンシュウ)秘書長は「2022年通年の自動車輸出台数は300万台近くになると予測されている。輸出台数でドイツを追い抜くのは時間の問題だ」と述べたという。

記事はこうした勢いの背景には「中国自動車メーカーの産業チェーンの強力な支え」があると主張。今年1~5月の新エネ車輸出台数は前年比141%増の17万4000台となったこと、自国ブランドのBYD比亜迪)は今年6月までにすでに前年比314.9%増となる64万1350台の新エネ車を販売しており昨年通年の販売台数を上回ったこと、CAAMが中国の今年の新エネ車販売台数が500万台に達すると予想していることを合わせて伝えた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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