中国の大学新卒者、空前の就職難に直面、「ゼロコロナ」が拍車―海外メディア

Record China    2022年7月4日(月) 7時30分

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中国で大学の新卒者が空前の就職難に直面している。「ゼロコロナ」が拍車を掛け、せっかく高等教育を受けてきた若者たちにとって全くの想定外の事態だ。写真は中国の就職説明会。

中国で大学の新卒者が空前の就職難に直面している、とロイター通信が報じた。「ゼロコロナ」が拍車を掛け、足元の若者の失業率は全世代の3倍以上で過去最高の18.4%。中国が何十年も高成長を続けてきた後で職探しに苦労するという事態は、せっかく高等教育を受けてきた若者たちにとって全くの想定外だ。

ロイター通信によると、ジェニー・バイさんは北京のあるインターネット企業の厳しい面接を4回もくぐり抜け、最終的に内定を勝ち取った優秀なコンピューター科学専攻の10人の大学生の1人だった。

しかし、5月になってこの企業から内定取り消しを通告された。新型コロナウイルスの感染拡大や中国経済全般の悪化が理由だ。ここに今年1080万人と過去最高となった中国の大学新卒者が直面している大きな問題がある。

6月に卒業したバイさんは「心配だ。就職先を見つけられない場合、どうすればよいか分からない」と不安を隠せない。ただ、内定を取り消された企業名については、今後もその企業と良好な関係を維持したいと明らかにしなかった。

中国経済は昨年の不動産市場の冷え込みや地政学的問題、当局によるハイテク、教育など幅広い産業への締め付けで既に減速していた。そこに追い打ちとなったのが新型コロナを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」だ。一方で、数十年来で最悪の状況となった労働市場にポルトガルの全人口を上回る規模の中国の大学新卒者が一斉に参入しようとしている。

就職できない若者の大量発生が、社会にどう影響するかは全く読めない。社会の安定を最優先に考える共産党指導部にとっても、特に今年は習近平国家主席の続投が秋に正式に決まろうかという局面で、若者の雇用不安が起きるのはあまりにも間が悪い。

北京大学のマイケル・ペティス教授(ファイナンス)は「(中国の)政府と人民が交わした社会契約では人民が政治に参加しない代わりに、生活水準が年々向上すると保証されている」と言及。「だから、懸念されるのはいったんこの保証が崩れれば、契約の他の部分も変わらざるを得なくなるのではないか、という点にある」と指摘した。

こうした中、李克強首相は大学新卒者の雇用確保が政府の最優先課題だと明言。実際、新卒者向けにインターンシップ枠を設けている企業には他の一般的な雇用支援措置を差し置いて補助金が支給される。

一部の地方政府は起業する新卒者に低利の融資を提供。幾つかの国有企業は民間で余剰化した非熟練雇用の一部を吸収する見通しだという。(編集/日向)

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