こだわりの素敵なかんざしを自分たちで作る広西の女性―中国

人民網日本語版    2022年6月20日(月) 14時20分

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広西チワン族自治区柳州市城中区のあるスタジオを訪れると、女性5~6人がおいしそうなお菓子が並ぶテーブルを囲んで、楽しそうにおしゃべりしながら、伝統的なかんざしを丁寧に手作業で作っていた。

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広西チワン族自治区柳州市城中区のあるスタジオを訪れると、「90後」(1990年代生まれ)の女性5~6人が、おいしそうなお菓子が並ぶテーブルを囲んで、楽しそうにおしゃべりしながら、伝統的なかんざしを丁寧に手作業で作っていた。中国新聞網が伝えた。

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髪を留めて、美しく飾るかんざしは、昔からオシャレな女性のアクセサリーとして使われてきた。その昔ながらの製法は、とても複雑で、完成品は精巧な作りとなっている。

90年生まれの覃麗華さんは、柳州市で漢服関連の活動をしているグループの一員で、「みんな漢服文化が大好き。漢服を着用する時に欠かせないアクセサリーであるかんざしを、どんな材料を使って、どのように作るかによって、コーディネート全体に影響する」と話す。

彼女たちは初めネットショップで完成品のかんざしを購入していたものの、思っていたようなコーディネートにならなかったため、自分たちで作り始めたところ、すっかり夢中になってしまったという。

女性の髪を飾る輝く「宝石」ともいえる伝統的なかんざしの製法には、こだわりが詰まっており、その作りは精巧そのもの。流れ作業と異なり、彼女たちは皆1つのかんざし作りの全ての工程をマスターしているため、初めから最後まで自分で作り上げるのだという。こうした職人技で作られたかんざしはどれもその美しさが際立っている。

覃さんが特に力を注いでいるのは「点翠」の技法だ。「点翠」とは金属工芸と羽毛工芸を組み合わせた技法で、この技法を用いて作られたアクセサリーは光沢を放っているだけでなく、その色彩も鮮やか。古代においては、「点翠」のアクセサリーは生きたカワセミの首の周りのやわらかい羽根を使って作られていた。しかし、羽根を抜かれたカワセミはすぐに死んでしまうことが多いため、その手法は極めて残酷だ。

「カワセミは今、中国で国家保護動物に指定されている。私たちが『点翠』の技法を参考にして作ったかんざしは全て、染めたガチョウの羽毛や同色のリボンといった代用品を用いている。それでも、完成品の外観や質感は本物のカワセミの羽根を使ったアクセサリーと比べても遜色はない」としている。

メンバーの一人である官雪萍さんは、シルク糸で作った花や鳥などの工芸品「絨花」の技法を使ってかんざしを作っている。「95後」(1995~99年生まれ)の官さんは、「『絨花』の技法・製法は中国無形文化遺産に指定されている。明から清の時代にかけて盛んになった技法で、中国語の『栄華』と発音が似ており、吉兆を願い祝福する思いがそこに込められている」と話す。

材料と作り方にこだわって作られたこれらのかんざしを漢服に合わせて着けると髪の間で美しく輝き、さらに精巧なペンダントと合わせれば「高級感たっぷり」になる。

かんざし作りの腕を磨くにつれて、女性たちはかんざしに込められた素晴らしい思いや文化をひしひしと感じるようになっている。古代において、かんざしは単なるアクセサリーではなく、愛情を示す際の贈り物の1つとして扱われていた。そしてそのデザインによって込められている思いも異なり、どんなかんざしを合わせるかにも、いろいろとこだわりがある。さらにその技法や製法だけでも十数種類ある。

伝統的なかんざしの文化を伝えるために、彼女たちは特別展も企画している。こうしたイベントの際、彼女たちは伝統的な装いをして、いろんなタイプの漢服を着用し、自分たちで作ったこだわりのかんざしで髪を飾って来場者を迎えているという。そしてこうしたイベントは「00後」(2000年以降生まれ)の若者の間で人気を集めている。

彼女たちは、「かんざしを作る時には古典や書画、壁画といった史料を参考にして、伝統的なかんざしを細かいところまで再現できるように頑張っている。新世代の若者である私たちは、中国の伝統的な技術を受け継いでいく責任がある」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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