2022年6月15日、中国メディアの環球網は、11月に開幕するサッカーワールドカップ・カタール大会の関連アプリの国籍選択欄に「台湾」がなく、台湾当局が不快感を示していると報じた。

記事は、英ロイターの報道として、同大会関係者が「すべての国籍のサポーターの来場を歓迎するが、チケット所有者はIDカードとして用いる『ヘイヤ』カードの申請が必要。ヘイヤカードの申請は、専用アプリを通じて行うことができる」と説明したことを紹介。この専用アプリでは国籍選択欄に「台湾」「チャイニーズ・タイペイ」の選択肢がなく、連絡先の電話番号も台湾の国際番号の入力が認められていないと伝えた。

そして、ヘイヤカードプロジェクトの責任者が「このファンIDシステムは、台湾のパスポート所有者の国籍を中国として扱っている可能性が高い」と語る一方で、大会主催者は特定のシステムによって必要とする正確な情報を収集可能であり、ヘイヤカードを申請する際にはどの国籍を選んでも問題なくカタールに入国し、試合を観戦することができると説明したことを紹介している。

また、台湾とカタールの間に国交はないとした上で、この件について台湾外交部の欧江安（オウ・ジアンアン）報道官が「駐サウジアラビア台湾代表処が状況調査にあたっており、現状ではなおもカタールの関係機関からの回答待ちだ」とコメントしたことを伝えた。

記事は、環球網の記者が専用アプリを使用したところ、国籍選択欄には「台湾、中国の省」という選択肢があったと紹介。一方で香港、マカオについても単独で選択肢が用意されていたとし、この件について大会開催者に問い合わせているものの回答は得られていないと併せて報じた。（翻訳・編集/川尻）