「中国天眼」、世界初の持続的な反復高速電波バーストを発見―中国メディア

人民網日本語版    2022年6月10日(金) 19時0分

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科学者は「中国天眼」を利用し、これまでで唯一の持続的な反復高速電波バースト「FRB 20190520B」を発見するとともに、これを地球から30億光年離れた矮星雲だと特定した。

科学者は「中国天眼」(500メートル口径球面電波望遠鏡、FAST)を利用し、これまでで唯一の持続的な反復高速電波バースト「FRB 20190520B」を発見するとともに、これを地球から30億光年離れた矮星雲だと特定した。この発見には、高速電波バーストという宇宙の神秘的な現象への理解をより深めるための重要な意義がある。新華社が伝えた。

同発見は、中国科学院国家天文台の李菂(リー・ディー)研究員が率いる国際チームが、FASTによる「複数の科学目標同時スカイサーベイ」優先重要プロジェクトによって行われた。これに関連する成果は9日、国際的な学術誌「ネイチャー」に掲載された。

高速電波バースト(FRB)は宇宙で最も明るい電波バースト現象で、1ミリ秒の間に太陽が約1年かけて放出するエネルギーを放出する。高速電波バーストは2007年に初めて存在が確認されてから、急速に天文学の最新のホットな研究分野となった。しかしその物理的起源、放射メカニズム、周辺環境などは現在まだはっきり分かっていない。

論文の筆頭著者で、国家天文台若手学者の牛晨輝(ニウ・チェンフイ)氏はFASTのデータをシステムで処理する際に、2019年5月20日のデータに重複する高分散パルスが存在することに気づいた。その後、チームは複数の国際設備を使った宇宙・地上協同観測により、電波干渉アレイ、光学、赤外線望遠鏡、HEAO(高エネルギー天体観測衛星)のデータを総合し、「FRB 20190520B」を地球から30億光年離れた貧金属の矮星雲だと特定した。

人類が初めて発見した反復高速電波バースト「FRB 20121102A」と比べると、「FRB 20190520B」は各特徴がより極端だ。例えば前者には爆発が活発な時期があるが、後者は爆発が止まったことがない。FASTは現在まで、後者の爆発を数百回観測している。

李氏は、「上述した発見は、活発な反復爆発の周辺の複雑な環境に、非常に明るい超新星爆発に類似する特徴が存在することを明らかにし、高速電波バーストの分散分析の従来の観点に疑問を突きつけている。高速電波バーストの変化モデルを構築し、この激しい宇宙の神秘的な現象を理解するための基礎を打ち立てた」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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