有人宇宙船「神舟14号」、知られざる「宇宙飛行の神技」とは?―中国メディア

人民網日本語版    2022年6月9日(木) 20時30分

拡大

宇宙飛行士3人を乗せた有人宇宙船「神舟14号」が5日午前10時44分に成功裏に打ち上げられた。

(1 / 2 枚)

宇宙飛行士3人を乗せた有人宇宙船「神舟14号」が5日午前10時44分に成功裏に打ち上げられた。中国宇宙ステーションの全面的な建設段階の1隻目の有人宇宙船の神舟14号は、知られざる多くの「宇宙飛行の神技」を持っている。中国航天科技集団第八研究院の専門家を取材した。新華社が伝えた。

その他の写真

■かつてない日射の遮断を恐れず

一対の大きな翼のような、太陽光を電力に変換できるソーラーパネルは、有人宇宙船の神舟14号の主要発電設備だ。

神舟14号の軌道滞在期間中、中国宇宙ステーションの建設任務は、2つの実験モジュールの打ち上げと組立、2隻の宇宙船の訪れを迎える。新メンバーの続々加入、宇宙ステーションコンビネーションの軌道変更または姿勢調整に伴い、神舟14号のソーラーパネルへの日射がかつてないような遮断に直面して、発電に大きな影響が生じる。

神舟14号はどのようにして電力供給を維持するのだろうか。

神舟宇宙船電源サブシステム主任デザイナーの鍾丹華(ジョン・ダンホア)氏によると、神舟14号運営前期の遮断期間中は、宇宙ステーションのコアモジュール「天和」と宇宙貨物船「天舟4号」が協力し神舟14号への電力供給を行う。神舟14号運営中・後期の遮断期間中は、宇宙ステーションの「3モジュール」(天和、実験モジュールの「問天」「夢天」)が順調に合流するため、日増しに複雑化する遮断状況に対し、宇宙ステーションが神舟14号への電力供給任務を単独で遂行できる。

■100%密封の「命のルート」

宇宙では、ドッキング機構は2隻の宇宙機をつなげ、完全に密封されたコンビネーションを形成する重要設備だ。

神舟宇宙船ドッキング機構サブシステム主任デザイナーの姚建(ヤオ・ジエン)氏によると、ドッキングに成功した後、神舟14号の前部の能動ドッキング機構とコアモジュールの受動ドッキング機構の間に、直径80センチメートル・長さ約1メートルの円形のルートが形成される。これは宇宙飛行士が宇宙ステーションに入るための「命のルート」だ。

このルートは宇宙飛行士にとって、大きな密封モジュールのようなものだ。ドッキング機構の100%の気密性を保証する上で最も鍵を握るのは、ドッキング機構のフレームのシールリングだ。神舟のシールリングは二重構造の設計を採用し、デザイナーはシールリングの材料について6年にも及ぶ研究開発を行い、一般的な材料の低温環境における「脆化」および長期活動後の材料の老化といった一連の問題を解決し、宇宙飛行士のために密閉された「命のルート」を作った。

■正確に計測・制御する「千里眼」と「順風耳」

応答システムと宇宙対宇宙通信機は、有人宇宙船計測・制御及び通信機器ファミリーの2つの最重要メンバーだ。応答システムは宇宙船と地上間の遠隔測定、遠隔操作、音声、軌道測定データの伝送に用いられる。宇宙対宇宙通信機は宇宙ステーションコアモジュールとの双方向通信リンクを構築し、主に画像、音声、測位データなどを伝送する。これは天地間の「千里眼」と呼べるものだ。

神舟14号が使用する応答システムと宇宙対宇宙通信機は、データのダウンリンクの帯域幅を広げ、より軽量かつコンパクトで、信頼性がより高くなっている。

音声処理設備は神舟の「順風耳」とも呼ぶべきで、宇宙飛行士の宇宙・地上間通話、宇宙船間通話の必需設備だ。宇宙飛行士の打ち上げ中、軌道滞在中、帰還中などのリアルタイム音声通信サポートを提供できる。

神舟14号の音声処理設備は複数機能の高度化を実現し、音声宇宙・地上間リンクの信頼性を保証している。同時に暗号化・復号化モジュールの暗号化アルゴリズムも新しくアップデートされ、宇宙・地上間暗号化通話の安全性が上がった。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携