中国空母の甲板上に一群の無人機、「米海軍より先を行く」とされる軍事的な狙いとは

Record China    2022年6月6日(月) 8時10分

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中国メディアの環球網は4日、中国の空母「山東」の甲板上に、一群の無人機が並べられていたことを紹介する記事を配信した。

中国メディアの環球網は4日、中国の空母「山東」の甲板上に、一群の無人機が並べられていたことを紹介する記事を配信した。

「山東」については4月から、大連造船所で運用計画に基づく補修作業が行われた。5月26日までは補修が続いていたことは分かっているが、甲板上に無人機は存在しなかったという。

中国のSNSでは、甲板上に無人機を配置した「山東」の写真が出回っているが、記事は「解像度が十分でないために、機種の特定はできない」と論じた。

ただし記事は、機体の形などからして、可能性があるとして2機種を紹介した。一つは四川省成都市に本社を置く中国縦横が開発した「CW-20」だ。中国縦横は2010年に設立された企業で、産業用無人機の研究開発および製造販売などを手掛けている。

「CW-20」の機体の長さは1.8メートルで翼幅は3.2メートル、最大離陸重量は25キロ。無線で操縦できる作業範囲は35キロまでで、それほど広くない面積に対する作業に向いているとされる。また巡行時速は100キロで、航続時間は180分だ。同機の最大の特徴は垂直離着陸が可能な点という。

もう1機種の可能性があるのは、北京市に本社を置く中国電子科技が開発した「翔翼CSC-005」だ。同機は光電/赤外線センサーとレーザー距離計を搭載し、最大離陸重量は約21キロ、最大活動半径は約50キロだ。なお、「CW-20」と「翔翼CSC-005」はいずれも固定翼機だ。

「CW-20」と「翔翼CSC-005」は高性能機とは言えず、「山東」に配置したのは、艦隊内での予備部品や医療用品など、限られた重量や数量の荷物を輸送することを想定している可能性がある。米海軍も2021年に、艦隊内の荷物輸送に無人機を利用するテストを実施したという。

もう一つ考えられることの背景には、各国海軍が小型無人機による攻撃を軍艦に対する「脅威」と認識するようになったことがある。最近の事例では、ウクライナ国防省は5月7日、トルコ製のドローンを使ってロシア軍艦1隻を撃沈したと発表したことがある。撃沈されたのは小型艦だが、ロシアの最新のフリゲート艦だった見方がある。

そのため、「山東」の甲板に並べられた小型無人機は、中国艦隊が小型無人機による攻撃を受けることを想定して、実証実験または演習の際の「仮想敵」として用いられる可能性があるという。

さらに空母打撃群(空母艦隊)における無人機の使い方としては、情報ネットワークに組み入れた大量の無人機を投入することで、周辺海域に対する監視を強化したり、脅威ある存在の除去を迅速化することが考えられる。

記事は、米海軍では何年も前から艦隊における無人機の活用が提案されていたが実現は遅れているとして、中国の方が先行しているとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人

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