中国で児童向けの書籍の表現が「暴力的だ」と物議を醸している。

中国のブロガーが5月27日、児童向け書籍に、雄鶏にたきつけられた男性が「妻を閉じ込めて許しを請うまで殴った」との一説があるとし、当該ページの写真をSNSに投稿した。この物語では「その後、2人は何事もなかったかのように出会った当初のような仲を取り戻した」とされている。

投稿したブロガーは「これが私たちが子どもに伝えたい価値観なのか？」と疑問を呈した。また、社会評論家の司馬南（スーマー・ナン）氏も6月1日にSNSでこの書籍に言及し、「子どもたちの教材に刺激的な内容がないかよく調べる必要がある」と主張。中国で教材のイラストの問題が相次いでいることに触れ、「これは内容的な問題。教育部の調査チームはイラストだけに注目してはならない」と提言した。

中国ではこれに先立ち、汗について説明する絵本で女の子の腕を2人の男の子がなめているイラストが掲載されるなど複数の書籍・教材で相次いで問題が指摘されており、教育部が調査に乗り出すことを表明していた。

中国のネットユーザーからは、「これが児童書か？」「暴力で問題を解決せよということか」「この本を読んで育った子どもが今どうなっているか…心配だ」「家庭内暴力（DV）男を生み出すための本か？」「これはおそらく『千夜一夜物語』だが、修正もせずに子どもに見せたらダメ」「こういう物語があること自体は否定しないが、わざわざ選んで子どもに見せるものではない」といった批判的な声が上がっている。（翻訳・編集/北田）