中国排斥の供給網同盟、IPEFは「既存のネットワークを破壊するだけ」と共産党系メディア

Record China    2022年5月30日(月) 5時30分

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米国主導のIPEFを中国共産党系メディアは「中国排斥を目標とする供給網再構築は地域の既存の供給網ネットワークを破壊するだけ」と批判した。写真はAIが導入された中国の工場。

米国バイデン大統領が立ち上げを宣言した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を中国は冷ややかに見ている。共産党系メディアは「中国排斥を目標とする供給網再構築は地域の既存の供給網ネットワークを破壊するだけ」と批判。「地域諸国の利益は既存のネットワークと深く結び付いている」と主張した。

IPEF創設の背景として中国網は「米国は経済安全、地政学、価値観の三つを連結して同盟国との団結を促進し、中国との競争を強化する重要な手段としている」と指摘。「供給網の強靭(きょうじん)性は、この複合的な手法を反映する重要部分だ」と述べた。

これをインド太平洋戦略のレベルで見ると「米国は地域の大多数の国が大国間の競争に巻き込まれることに警戒を維持していることを理解している」と説明。「そのためIPEFによりインド太平洋戦略の経済の不足を補い、米国が地域で軍事を重んじ経済を軽んじるという各国の懸念を和らげる一方で、供給網という物議を醸しにくい部分から着手することで、地域諸国が米国の陣営に加わるためのハードルを下げ、警戒を弱めようとしている」と続けた。

記事は「新型コロナウイルスロシアウクライナの持続的な衝突の影響により、『供給網の強靭性の向上』は確かに地域諸国の普遍的な需要になっているが、これは諸国がIPEFを基礎とし米国が大々的にアピールする供給網同盟戦略を全面的に受け入れることを意味しない」と言及。「特にIPEFは地域諸国が長期的に求めてきた関税優遇、市場参入の拡大を全く実現できない。バイデン政権が同盟国およびパートナーへのいわゆる『重視』をいかに強調しても、これは米国の経済政策の保護主義的な色合いを隠せていない」とも断じた。

さらに「地域の大多数の国は米国の対中供給網デカップリングの埋め合わせをしたがっておらず、供給網問題が価値観や安全の問題にされることを望んでいない。より自主的で開放的で多元的で包括的な供給網体制の構築を望んでいる」と論評。「これは各国が中国と相互依存する経済の論理によって、また米国の中国との『大国間競争』に巻き込まれたくないという戦略的な論理によって決まっていることだ」とした。

その上で「中国は日本や韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の重要な経済・貿易パートナーだ」と強調。「地域諸国の利益は既存のネットワークと深く結び付いている。既存の協力から身を引き(IPEFを)『二者択一』する理由はない」「IPEFが貿易協定の形式ではなく、『1国1プラン』という参加形式をとっていることも米国の無力を示しており、より大きな不確実性をもたらす」と突き放した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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