沖縄復帰50周年、住民たちのついえた希望―独メディア

Record China    2022年5月17日(火) 6時20分

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14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版は、沖縄が日本への復帰50周年を迎えた一方で、住民たちの願いはいまだ叶えられていないとする記事を掲載した。

2022年5月14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版は、沖縄が日本への復帰50周年を迎えた一方で、住民たちの願いはいまだ叶えられていないとする記事を掲載した。

記事は、「この50年、沖縄の住民たちは米国の軍事的存在に不満を感じ続けてきた」とし、玉城デニー沖縄県知事が10日に岸田文雄首相と会談した際に米軍基地削減という住民たちの希望に対して現在まで満足のいく回答が得られていないと岸田首相に訴えたと紹介した。

そして、沖縄が日本に返還された1972年5月15日、当時の住民たちは非軍事化の実現を望み、時の首相であった佐藤栄作氏も当初は沖縄を戦略上、軍事上の重要拠点とすることを拒んだとする一方、米国側が「将来の協力関係に障害が生じる可能性がある」と佐藤首相に警告し、佐藤首相は唇をかみながら「沖縄は極東の平和安定において極めて重要」と発言せざるを得なくなったとし、以後半世紀が経過した現在もなお沖縄の住民は自らの運命を自分たちで決めることができないと感じていると伝えた。

その上で、米国は事実上沖縄を「動かない空母」として扱っており、アジア最大の米空軍基地である嘉手納基地だけでも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争発生時には最大で年間7万回もの飛行機の離着陸があったと指摘。飛行機による騒音の他に、米軍は沖縄でたびたび交通事故や暴力、強盗、婦女暴行、市民の殺害といったトラブルを起こし、住民の怒りを買ってきたとしている。

一方で、日本政府は住民の願いよりも安全保障政策を優先する方針を取り続けており、3年前には法的拘束力を持たないながらも70%が反対票を投じた普天間基地移設の是非を問う住民投票の結果を無視し、建設を続行したと紹介した。

記事は、米国が中国の影響力を抑え込もうとする中で沖縄が重要な役割を担っていることから、軍事的な存在を減らしてほしいという沖縄の住民の切実な願いは空振りし続けることになるとした。そして「50年前、佐藤首相は秘書に対して『沖縄の返還が日本にとっていいのか悪いのか分からない』と発言していた。彼は当時、すでに失望を感じていたのだ」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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