中国の大学が次々と世界大学ランキングとの決別を表明、その理由は?―中国メディア

人民網日本語版    2022年5月12日(木) 17時50分

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中国の多くの大学が世界大学ランキングとの「決別」を表明しているというニュースが瞬く間にネット上の話題をさらっている。

中国の多くの大学が世界大学ランキングとの「決別」を表明しているというニュースが瞬く間にネット上の話題をさらっている。あるネットユーザーは、「商業化されたランキングと決別しなければ、学術研究にさらに集中することはできない」とのコメントを寄せている。また、「自分自身の評価体系を最適化すればいい。ランキングだけを頼りにすることはできないが、それを全く見ないわけにもいかない」といったコメントも寄せられている。

■世界大学ランキングとは?その信頼性は?

現在、世界公認の世界大学ランキングには、QS世界大学ランキング、THE世界大学ランキング、U.S. News世界の大学ランキング、世界大学学術ランキング(ARWU)の4つがある。

蘇州大学教育学院の余慶曾(ユー・チンズン)准教授によると、QS世界大学ランキングは、大学のソフトパワーを強調し、学術査読や雇用者の卒業生に対する評判を重視した評価だ。THE世界大学ランキングは、教育と科学研究にそれぞれ30%ほどの重きを置いている。U.S. News世界の大学ランキングは学術研究を強調しているほか、学校全体の評判を重要な指標としている。ARWUは、ノーベル賞受賞者やフィールズ賞受賞者の輩出のほか、NatureやScienceといった一流学術雑誌に掲載された論文の数などの客観的な指標に重きを置いている。

余准教授は、「絶対的権威を持つ大学ランキングはない。ランキングによって差が大きいのは重きを置いている要素が異なるからだ」との見方を示す。

また、ある専門家は、「大学を総合的に、またはその特定項目を評価した各種ランキングは、中国の高等教育発展に一定の積極的な影響を及ぼした。しかし、それを過度に重視したり、経費など資源の配置と関連付けを行ったりした結果、多くの問題も引き起こした。この種のランキングには過度な商業的操作が関係しており、客観性や公平性への非難は避けられない点も重要だ」と分析している。

■大学ランキングから「脱退」するとどうなる?専門家の分析

中国教育科学研究院の研究員・儲朝暉(チュウ・ジャオフイ)氏は、「大学はいろんな角度から評価すべきで、ランキングはその1つにすぎない。大学ランキング自体も、メディアランキングと学術ランキングの2種類に分けることができる。QS大学ランキングは実際にはメディアランキングだ。世界各国の状況からすると、本当の意味での一流大学に、共通の基準はない。傑出している部分が異なっているのと同じで、一流にもいろんな分野の一流がある」との見方を示す。

21世紀教育研究院の熊丙奇(シオン・ビンチー)院長は、「大学数校の世界大学ランキングに対する姿勢は、大きな変化」と分析し、「大学ランキングは、実際には大学に対する社会的評価で、教育を受ける人が大学を選んだり、社会の組織・団体などが提携する大学を選んだりする時の根拠の一つになるものの、ランキングだけを頼りにすることはできない。また、公開されているデータを利用し、学校がデータを提供する必要がないランキングもあるので、大学が大学ランキングとの『決別』や『拒否』を宣言したとしても、それをまとめている機関がその大学をランク付けしなくなるということではない。肝心なのは、大学がランキングの順位に一喜一憂することなく、自分たちの定める方向性や運営方針を貫き通すことだ」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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