旗艦クラスの宇宙望遠鏡を製造、宇宙の謎を解明へ―中国

人民網日本語版    2022年5月7日(土) 18時30分

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中国が旗艦クラスの宇宙望遠鏡を製造し、宇宙の謎の解明を目指す。

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中国科学院国家天文台の副台長を務める中国宇宙ステーション望遠鏡科学活動共同センターの劉継峰(リウ・ジーフォン)センター長はこのほど、「2023年に打ち上げが予定されている中国宇宙ステーション望遠鏡は非常に迫力があり、バス1台分のサイズで、立つと3階建ての高さになる。口径は2メートルで、米国のハッブル宇宙望遠鏡の口径に相当するが、視野は350倍も広い」と述べた。新華社が伝えた。

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中国宇宙ステーション望遠鏡科学データ責任科学者の李然(リー・ラン)氏は、「視野とは望遠鏡で見ることができる宇宙の視野のことで、ハッブル望遠鏡の視野は伸ばした指の爪の100分の1ほどだ。すでに宇宙を30年観測しているが、すべてのデータを合わせても夜空のほんの一部に過ぎない」と述べた。

中国宇宙ステーション望遠鏡スカイサーベイ光学設備責任科学者のセン虎(ジャン・フー)氏は、「われわれの望遠鏡はスカイサーベイに非常に適しており、広範囲の宇宙観測を比較的速く行うことができる」と述べた。

すでに同プロジェクトに十数年参加している同氏によると、この望遠鏡は当初、中国の宇宙ステーションに設置される予定だった。しかしその場合は観測が制限されるため、宇宙ステーションと同じ軌道上を単独飛行するというプランが最終的に採用された。自ら燃料を携帯し、必要な場合は宇宙ステーションとドッキングし補給、メンテナンス、設備の更新を行う。設計寿命は10年だが、メンテナンスによりこの期間を絶えず延長できる。

セン氏は、「現在の世界的な計画を見ると、2025−35年の間に中国宇宙ステーション望遠鏡は近紫外線から可視光線までの範囲内で能力が最も高い宇宙スカイサーベイ望遠鏡になる可能性がある。その設計指標は多くの面で世界トップだ」と述べた。

また、「中国は現在すでに宇宙大国だが、宇宙天文学の発展が遅れている。この望遠鏡は中国の科学者にとって非常に得難いチャンスだ。われわれはこれが人々をワクワクさせる発見をもたらし、人類の宇宙への認識を一新することを願っている」と続けた。

李氏は、「ハッブル望遠鏡のカメラの検出器は手のひらサイズだが、中国宇宙ステーション望遠鏡スカイサーベイモジュールのメイン焦点面は30個の検出器を組み合わせたものだ。その1つ1つがハッブルよりも大きく、画素数も多い。使用開始後には宇宙最大のカメラになる」と述べた。

李氏の話によると、中国で最も高額の宇宙天文施設の主要任務には、暗黒物質や暗黒エネルギーとは何か、銀河はいかに変化するのかといった宇宙の最も基本的な問題の解答が含まれ、人類による宇宙への理解に役立つ。40%超の夜空を撮影し、宇宙の一区画を切り取り地球上に持ってくる。これらの画像はデジタル化され、非常に大きなデータを形成する。全世界の科学者はこれらの情報を利用し、研究を展開できる。

セン氏は、「さらに多くの非常に興味深い観測研究ができる。例えば正確な銀河系塵分布地図を作成し、超大質量のブラックホールによる物質の飲み込みを観測できる。高コントラスト比の直接的なイメージングにより、暗い太陽系外惑星を撮影・研究することで、新しい特殊な天体を発見できる可能性がある」と述べた。

李氏は、「さらに太陽系の大型惑星を観察できる。例えば天王星は探査機による観測が行われていない。その軌道を一周するのにかかる時間は80年以上に上る。ハッブル望遠鏡はすでに長年にわたり観測を行っているが、中国宇宙ステーション望遠鏡が打ち上げられた後、観測を終了する可能性がある。中国は観測を続けることができる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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