「1ドル=135円で日本は韓国より貧しい国に」ルーブルより価値が下がった円

Record Korea    2022年5月2日(月) 6時30分

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29日、韓国・ニュース1は、「日本は本当に韓国より貧しい国になるのか」と題した記事を掲載した。写真は東京・渋谷。

2022年4月29日、韓国・ニュース1は、「日本は本当に韓国より貧しい国になるのか」と題した記事を掲載した。

急激な円安が進み、最近ではロシア・ルーブルより大きな下落率を記録し、28日午後には1ドル=130.04円を記録した。130円を突破したのは20年ぶりだという。記事は、こうした中「日本国内でも円安への懸念の声が上がっている」として、日本のメディアに掲載された元大蔵官僚の経済学者、野口悠紀雄氏の文章を紹介している。野口氏は、「1ドル=135円になると、日本は韓国やイタリアよりも貧しい国になる」としている。

IMFの統計を活用した野口氏の推計によると、日本の1人当たりのGDPは1ドル=124.46円だと3万6664ドルだが、135円になると3万4073ドルとなり、韓国より約100ドル低くなる。現在は1ドル=128~130円で推移していることから、「逆転の時は近い」と記事は指摘。野口氏はこの逆転を「重大な局面」と表現しているという。

記事は「円安はアベノミクスの象徴の1つ」だとし、日本は安倍晋三政権の頃から、円安でデフレを克服し経済の再活性化を図るため「円の価値を落とそうと努力してきた」と説明している。その円安が実現した形だが、「円安を通じた経済回復の根幹には、輸出の増加という前提条件があった」ことが問題だと指摘している。

財務省の発表によると、日本の貿易収支は2018年には1兆6090億円の赤字だったが、20年は1兆160億円の黒字に転換している。しかし、昨年は輸出が期待ほど伸びなかったこととエネルギー輸入の増加により、5兆3748億円の赤字に転落した。現状のままだと、42年ぶりに経常収支黒字がストップする見通しだという。これに関して鈴木俊一財務相が「今の円安は良い円安とは言えない。悪い円安ではないか」と発言したとも記事は伝えている。

それでも日本政府が何の措置も取らないのは、「金利というジレンマがあるから」で、「アベノミクスにより大規模財政をつぎ込んだ状況で金利を引き上げた場合、財政危機に陥る可能性が高く、ぎりぎりで維持している景気回復もまた崩壊する可能性がある」「財政危機となれば、国家信用度の下落で円安がさらに進む可能性も排除できない」と説明している。野口氏も「円安の急激な進行は、日本銀行が長期金利抑制の姿勢を強く打ち出しているから」「金利抑制策は日本経済に何のメリットも与えていない」と述べている。

最後に記事は「アベノミクスの失敗が、韓国には日本を追い抜く好機と受け取れるかもしれないが、ただ喜んでいる場合ではない」とも伝えている。今年のIMFの世界経済見通しによると、韓国の1人当たりGDPは約20年ぶりに台湾に逆転される見込みだという。台湾は外貨準備高も韓国を上回り、為替相場も安定している。また、過去30年間、韓国は1人当たりの国民所得(購買力基準)で台湾を上回ったことがないという。「韓国は日本を反面教師にして、国民所得を増やすためにどんな革新が必要かを改めて考えるべきだ」と呼び掛けている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「もうとっくに貧しくなってるでしょ」「斜陽の日本と日の出の韓国」「沈みゆく島国」「日本は貧しくなっている。大した国じゃない」「日本は安倍が、韓国は文在寅(ムン・ジェイン大統領)が国を滅ぼした」「日本が見えないところで徐々に崩れていっているのは、保守(極右)が勢力を得ているから。重要なことは、韓国が日本に似ていっているということだ」などのコメントが寄せられている。

また、「高賃金で物価はどんどん上がるし、労組はうるさい。遠からず日本のようになるだろう」「韓国は日本を反面教師にしよう」「比較するのはいいかげんにしてほしい。山は山で、川は川だよ」「日本は基礎科学がしっかりしているから、甘く見てはいけない」などの声も見られた。(翻訳・編集/麻江)

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