中国造船業はLNG運搬船市場に注力、激増する注文に積極対応―中国メディア

人民網日本語版    2022年4月19日(火) 12時50分

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傘下の滬東中華造船(集団)有限公司はこのほど、中国船舶工業貿易有限公司とともに、日本の商船三井との間で、17万4000立方メートルの液化天然ガス運搬船4隻の建造契約に調印したという。

中国船舶集団有限公司が12日夜に明らかにしたところによると、傘下の滬東中華造船(集団)有限公司はこのほど、中国船舶工業貿易有限公司とともに、日本の商船三井との間で、17万4000立方メートルの液化天然ガス(LNG)運搬船4隻の建造契約に調印したという。

これは「カタール百船建造計画――カタール北部ガス田能力拡充船舶購入プロジェクト」で初めて発効した船舶建造契約だ。これにより滬東中華は今年、大型LNG運搬船計11隻の建造を受注し、韓国の現代重工業とともに世界の大手造船会社のトップに並んだことになる。

船舶集団傘下の江南造船(集団)有限公司もこのほど、船舶工業貿易とともに、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社傘下のADNOCロジスティック・アンド・サービシスとの間で、17万5000立方メートルのLNG運搬船2隻の建造契約に調印し、中国国内で初めてマークIIIメンブレン(薄膜)タイプと呼ばれるタンク式の大型LNG運搬船を受注した造船会社になった。

こうした重要なブレークスルーは、目下の中国造船業が遂げつつあるモデル転換のほんの一例だ。

新型コロナウイルス感染症によりグローバルサプライチェーンが混乱に陥り、海上輸送力の不足が深刻な状況となっている。このことが海上輸送運賃の歴史的な高止まりを推進し、海運会社の中には一日で船一隻を建造できるくらい稼ぐところもある。目下の「市場でもうけるのは資金を奪い合うようなもの」という状況の中、船主からの注文がまるで舞い落ちる雪のように川上の造船会社に次々舞い込むようになった。

滬東中華は今年1月だけで総額87億元(約1740億円)に上る7隻の大型LMG輸送船の注文を受け、1月と3月にそれぞれ1.5万TEU(標準コンテナ換算)の大型コンテナ船1隻を引き渡した。現在手元にある新規造船受注量は57隻に達し、総額は680億元(約1兆3600億円)を超え、引き渡しには2025年までかかる計画だ。しかもその後しばらくして、同社は大口のLNG輸送船の新規造船契約に調印する見込みであることを明らかにした。

公開された情報によると、江南造船は3月に1万4000TEUの大型コンテナ船4隻とLNG動力(コンテナ)船4隻の大口注文を受けたという。

船舶工業貿易は上海外高橋造船とともに、タイのリージョナル・コンテナ・ラインズと3月に7000TEUコンテナ船2隻の新規造船契約に調印した。

中国国内で最高レベルの3大造船会社は1月にそろって好調なスタートを切ったのに続き、3月にも再び輝かしい成果を上げた。

造船業が最近獲得した注文は「優に3年は食べていける」量だが、造船会社は、「好調な時ほど慎重であるべき。LNG運搬船の技術のウェイトが高く、付加価値の高い船型を開発しなければならない」との見方を相次いで示す。

中遠海運控股股份有限公司によると、同社は現在、コンテナ船の新規造船受注量が32隻に達し、輸送力は合わせると58万5000TEUになり、23年から25年までの間に次々と引き渡しを行う予定だ。輸送力を拡大し、船団を刷新することについて、同社の方針決定はこれまでは慎重すぎた。今後は輸送力をタイミングよく増やすにしても、船会社にとって船隊の規模を単純に拡大することはもはや重要な戦略ではなく、グリーン・低炭素、デジタル化モデル転換に向かう海上輸送業が新たなトレンドになるという。

国際水上輸送業の環境保護に配慮した監督管理と政策の枠組みが形成されるのに伴い、グリーン・環境保護タイプの船型の建造を拡大することが、造船会社にとって新たなチャンスになるとみられる。中国が二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの「ダブル炭素」目標の達成を積極的に推進する背景の中で、市場では相対的にクリーンなLNGエネルギーへのニーズが急増しており、LNG輸送船の市場も急速に発展することが予想される。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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