コロナ流行がEV含む中国の自動車産業に大きな影響、部品供給の停滞も痛手

Record China    2022年4月17日(日) 21時30分

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中国の自動車産業は、新型コロナ対策の影響を大きく受けている。EVを含め部品供給の停滞も痛手だ。写真は中国の高級EV「蔚来(NIO)」。

中国では多くの地域で新型コロナウイルス感染症対策として、人の移動などを制限する措置が取られている。この措置により、自動車産業にも大きな影響が出ている。電気自動車(EV)関連では、特に注目されているのがテスラ上海工場が稼働できていないことだが、部品供給が停滞していることも大きな原因という。

テスラ上海工場は3月になってから「操業停止と再開、再び操業停止」を繰り返した。17日の段階では、操業停止が3週間続いている。労働者を工場に寝泊まりさせる「クローズドループ」の方式での操業再開を目指しているとの報道もあるが、中国メディアの中国新聞社によると、テスラ側は操業再開について「いつでも、市政府政府の感染症対策に基づいて仕事の手配をする」と回答した。操業再開についての具体的な情報はないという。

高性能電気自動車を製造する中国企業の上海蔚来汽車(NIO、本社・安徽省合肥市)も、深刻な影響を受けている。吉林省、上海市、江蘇省などからの部品の供給が滞っているからという。同社の李斌最高経営責任者(CEO)は、「部品一つが欠けただけで、車両は1台も作れない」と説明した。

華為技術(ファーウェイ)の消費者向け事業のCEOを務める余承東氏は15日、SNSを通じて「もし上海での生産が再開できないならば、5月以降は上海市の企業からのサプライチェーンを利用する工業産業の生産、特に自動車の製造は全面的に停止する」と述べた。ファーウェイは自動車は生産していない上、自動車を生産する考えもないと表明しているが、「BU」と名づけた自社技術を応用した自動車のスマート化などには深く関わっている。余氏は「BU」部門のCEOも務めている。

また広東省広州市に本部を置き電気自動車を生産している小鵬汽車の何小鵬CEOも、上海市内の部品製造業者が生産を再開する方法を見出せない場合、5月には中国の全ての完成車組み立て工場が操業を停止する可能性があると表明した。

感染症対策の影響は、従来型自動車の生産にも影響を及ぼしている。フォルクスワーゲン系では、一汽大衆長春工場と上汽大衆の工場1カ所が4月1日から操業を停止した。操業再開は早くて5日としたが、部品の入荷に波があるので再開日は不確定との説明だった。17日になっても操業再開の情報は伝わってきていない。

長城汽車は14日、上海市、江蘇省、吉林省など多くの地域が感染症の影響を受けており、部品を供給する8社が操業を停止したことを理由として、同社のSUVである担克300(タンク300)の生産を同日から停止すると発表した。

中国政府はすでに、サプライチェーンの正常化を目指す措置を取り始めている。中央政府内で感染症対策を統括する部署の国務院共同予防・抑止メカニズムは最近になり「貨物輸送物流の円滑化を確実に行うことに関する通知」を発表した。中央政府の交通運輸部、商務部、国家郵政局、中国銀行保険監督管理委員会が次々に、物流が停滞している個所を改善し、「大動脈」を確保する対策を打ち出しているという。

交通運輸省のまとめによれば、4月15日午前0時時点で、感染症対策を理由に閉鎖されている全国の高速道路出口は10日比282カ所減の396カ所だった。また最近になり、政府による「自動車産業サプライチェーン円滑化連携プラットフォーム」サイトの運用も始まった。中央政府・工業と情報化部装備工業発展センターは同プラットフォームについて、自動車産業のサプライチェーンについて企業が抱える問題を迅速にフィードバックし、現存する困難の解決を支援するものと説明した。(翻訳・編集/如月隼人

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